南風・はえ

我が家に誰もいない時を見計らい、YouTube三沢あけみさんが奄美大島を歌う昭和歌謡・「島のブルース」をカラオケ練習している。
この状況ではいくら練習してもカラオケには行けないのだが。

奄美地方の方言も混じった響きがとても良く、作曲は渡久地政信さん、私の好きな津村謙さんが歌う「上海帰りのリル」も手掛けられた。
作詞は吉川静夫さん、こちらも私の好きな三浦洸一さんが歌う「落ち葉しぐれ」も作詞されており、私が「島のブルース」を好きになる条件が揃っているような気がする。

歌の2番では
「♪♪♪愛人(かな)は今ごろ、起きてか寝てか 淋しがらせる浜千鳥ヨ 南風(はえ)のふく夜は ねむられぬ ねむられぬヨ♪♪♪」
と歌われ、南風が吹く季節に海に出ている恋人を心配して眠りつけない様子を歌っている。

この「はえ」という南からの夏の風を表す言葉は、奄美地方だけの言葉でなく、古い記憶をたどると私の育った山口県の農村でも稲作を心配する言葉として聞いたような微かな記憶がある。
辞書をひもとくと西日本では広くまた古くから使われていた言葉らしく、俳句の季語にもなっている。

南からの風は穏やかなときは良いが、大きな荒れの前兆の場合があり、時として田畑や海の安全に災いをもたらす。

私のふるさとの隣町・下関市には南風泊(はえどまり)漁港、南風泊市場があり日本一のフグ取り扱い量が有名になっている。
この場所の名前、南風泊(はえどまり)は江戸時代以前、北国と大阪や江戸を結んだ日本海航路・北前船が強い南風を避けるための風待ち港として利用したことが由来と伝わる。

それはそうとして早くカラオケで「島のブルース」を歌える状況が来てほしいものです。

◎朝の八尾空港管制塔、手前は隣接する陸上自衛隊八尾駐屯地の訓練場、朝から若手隊員がランニング中、多分恒例の部隊毎に競争する耐久走があると思われる。
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