「北上夜曲」

戦前に岩手県出身の若い学生二人が作詞作曲し、戦後マヒナスターズ、小林旭倍賞千恵子、ダークダックスなど色々な人が唄ってヒットした懐かしい歌が北の初恋を歌った「北上夜曲」で、ゆったり落ち着いた調べが記憶に残っている。

♪︎♪︎ 匂い優(やさ)しい 白百合の
濡れているよな あの瞳
想い出すのは 想い出すのは
北上河原の 月の夜♪︎♪︎

今のTV番組で一番好きなものは? と問われたらNHKの「新日本風土記」と答えそうな気がしている。
各地方やテーマについて風俗、歴史、文化、産物などをその土地の人々の暮らしと併せて紹介する番組で、時間と熱意が懸けられた取材にいつも感心しており、また時折入る松たか子さんの語りにも味がある。

今回の題が「北上川」でこの題を番組表で見た途端に「北上夜曲」を連想してしまった。
東北一番の大河で南北249km 岩手県盛岡から宮城県石巻へと流れ、全国でも4番目の長さになるらしい。

流域が有数の米どころでもあり舟運の大動脈として発達、米を350俵も積める大型帆船が行き交ったとのこと。
私のふるさと厚狭川でも年貢米等を積んだ船が通った記録が残っているが、せいぜい高瀬舟程度でありどうも規模が違うようである。
北上川では今は観光船にその名残があるらしい。

美味しさでは名物の色々な餅、カワガニ(モクズガニ)、鮭、しじみ等を使った料理が出て来て、懐かしく食べたくなるようなものばかりだった。

盛岡で昔の舟運の姿をよみがえらそうとする地元商店街の店主の集まりが紹介されたが、当然と言えば当然ながらその集まりで突然皆が「北上夜曲」を唄い出した。
やはりこの歌は地元に定着しているんだなとなぜか感動してしまった。

暮らしに役立つきれいな川があり、その川を詠った歌が全国に知られ地元でも定着している。地元にとって嬉しく誇らしいことに違いない。

◎大阪の東側、奈良・大和地域とを隔てる信貴(しぎ)生駒(いこま)連山、朝歩きの途中振り返ると稜線がくっきり見えた。
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