喜美ちゃんの「スカーレット」が終わった。

半年間続いたNHK朝ドラ「スカーレット」が今朝終わった。

劇中喜美ちゃんが白血病の息子武志に向かって、病気を私が治してやるという台詞がありひょっとして快方に向かうシナリオも有るかなと思っていたのだが、息子の死を受け止め一人で淡々と陶芸作品に向き合ったり穴窯に火を入れる最後のシーンは孤独に耐えて、環境に耐えて自分の道を見つけてきた喜美ちゃんらしい終わり方かも知れない。

半年間で一番楽しく印象的だったのはやはり喜美ちゃんが大阪に出て働いていた「荒木荘」でのあれこれだろうか。ここで出会ったちや子さんや、雄太郎さん、大久保さん、荒木さんなどが後の信楽でも次々に現れて喜美ちゃんを励ますのはとても懐かしく楽しい感じが増幅された。

一番言葉で記憶に残ったのは絵付けの師匠・深野心仙先生の「ええよー」だろうか、独特の記憶に残りそうなイントネーションで、喜美ちゃんに希望を与えた言葉で、元々イッセー尾形さんは好きな俳優だったがこの番組でますます注目するようになった。多分あのイントネーションはイッセー尾形さんオリジナルに違いない。

一番苦しさが迫って来たのはやはり喜美ちゃんが穴窯に初めてチャレンジするシーンだろう、夫とのいさかいを乗り越え金銭的にも追い詰められて失敗を繰り返しても尚自分の信念で窯を焚き続けるのには素直に感動した。脚本と演出の良さが光ったシーンだった。

ところで題名の「スカーレット」緋色はどこから?、私はてっきり陶芸作品に緋色を出すと思っていたのだか違ったようだ、窯を焚く炎を表しているのだろうか。それとも喜美ちゃんの心、情熱を表しているのだろうか。