ハイパーインフレ報道から

今週の「週刊ダイヤモンド」の報道では今アフリカ南部ジンバブエで、この8月のインフレ率が前年比559%に達しているとのことである。すなわち去年100円で買えたものが今年559円でないと買えないという事でこれでは生活が成り立たない。公務員や軍人は自国通貨の給料を受け取っても価値が蒸発するため米ドルで支払うよう強く要求している。

国連の推定ではこのままでは来年初めには人口の半数が1日1食しか食べられなくなるとの事である。

また、南米ベネズエラでも推計できないほどのハイパーインフレで大量の難民が国外に逃れているのを大統領2人並立の混乱と合わせてニュースが報じている。

何れも放漫財政、独裁政権による政治混乱、石油等資源輸出低迷などにより自国通貨の信認が崩れて発生している。

以前にも書いたがアジア通貨危機の折りインドネシアインドネシアルピアの低額紙幣が紙切れに近い状態になるインフレを現地で体感した。ポケット一杯の札束を持たないと買い物が出来ず治安も比例して悪化する。

今日本では円高が輸出と景気に悪影響を及ぼすとして円安を志向しているが円高で国が亡んだり国民が飢えに苦しむことはなく、本当に怖いのは極端な円安であることを忘れてはならない。

日本の現状は直ぐにハイパーインフレになるような条件には無いと思うし、大多数の人がハイパーインフレ対岸の火事と思っているが、日本の債務額は巨大であり更に福祉やインフラ整備で財政出動の要求があることや少子高齢化による国力低下傾向を考えると、将来的に債務軽減の為、財政や金融担当のインフレ志向がより強まり何かのきっかけから財政信認が崩れることの心配を私自身は持ち続けている。

杞憂に終われば良いのだが。