NHK製作のドキュメンタリー番組・NHKスペシャルは見応えのあるものが多いが、2022年から始まった今世紀の世界をテーマにした「混迷の世紀」シリーズもそのひとつで、今回は第10回目としてインドを取りあげ「台頭する"第3極"インドの衝撃を追う」と題して放送された。
5~6年前に孫とインドのことを話して以来、インドは私の追跡対象のひとつにしているのだが、最近特に頻繁にインドは以下のような内容でマスコミに登場する機会が増えていることを実感している。
・中国を抜いて世界一の人口14億2800万人
・グローバルサウスのリーダー
・G20の議長国
・一方に与しない実利外交、
・インド太平洋地域に於けるQUAD(クワッド)日・米・豪・印の協力関係
この番組では、インド政府が構築した、すべての個人を紐付け出来て指紋や虹彩でアクセスできるデジタルプラットホームを、民間企業にも解放することで貧困層まで経済成長に取り込んで、経済の急成長を図る姿が映し出される。
もちろん個人情報の問題があることは充分うかがえるが、それよりは貧困撲滅であり経済成長であると迷わず進める様子はいっそ清々しいものがある。
またこのプラットホームをグローバルサウスの国々に提供することでこれらの国々の支持を得て、グローバルサウスのリーダーとしての存在感を高める実態もよくわかる。
またモディ首相の進めるロシア、アメリカなどとの等距離外交が、むしろグローバルサウスの信頼を得ていることもわかった。
題名の中にある「衝撃」とは日本人が思っている以上のスピードで国力や存在感を増していることを表しているのだろう。
ただ番組でも一部顔を出していたが、ヒンズー教の国であり、少数派イスラム教徒の問題や依然として残る階級制度などはこれからも制約条件として残り続けるに違いない。
時期や順位は別にして平均年齢の若さ、人口増加率の高さなどから経済大国になるのは時間の問題であり、番組を見ながら日本としても今まで以上に、経済や安全保障での結び付きを強固にするため人的交流など不断の努力が不可欠と思わされた。
🔘一日一句
汗拭う腕の染みにも想い出が
🔘施設の花壇、ペチュニアと思われる。