「雑草という草はない」と「土用芽(どようめ)」

植物学者・牧野富太郎博士をモデルにしたNHK朝ドラ「らんまん」は結婚、第一子出産、植物図鑑の発行と物語は佳境に入っている。

牧野博士は「世の中に雑草という草はなくそのひとつひとつに名前がある」と何かの機会に語られたことが広まっているが、昭和天皇も侍従に同じような意味の言葉を発せられたことがあると以前何かで読んだ記憶がある。

私は仕事をリタイアするまで、世の中の植物の中で知っているのは花が咲く桜、菊、百合など何種類かだけであとは全く知らず、正直言って世の中は雑草と雑木ばかりと思っていた。

農業は雑草とのせめぎあいという面があって、農家生まれの身にはことさら草は「悪」というイメージがあり、リタイア後の野菜作りもまさしく夏の草取りが負のイメージとして残っている。

このブログを始めてしばらくして同級生から「内容が硬い」と言われ、内容の硬さは変えられないが少しでも緩衝材になればと、花や植物写真を加えようと思い立ち今に至るまで実行している。

雑草と雑木ばかりと思っていたので当然その名前が分からず教えられて植物図鑑を買って調べたりしていたが、現在はスマホの画像検索という誠に便利なものがあり、ほとんどのものの名前を瞬時に教えてくれる。

ブログも1400回を越え、その度に草木の名前を目にしており「世の中に雑草という草はない」という言葉をようやく実感して、牧野博士のような植物学の先人の努力を遅まきながら実感している。

現在では写真という便利なものがあり種の区分けも比較的容易になっていると思われるが、「らんまん」で繰り返し映し出されているように手描きの絵に頼らざるを得なかった時代の苦労は察するに余りある。

何れにしろ植物に全く無関心であった自分がひょんな事から周りの草木に多少でも目を向けるようになった偶然に大いに感謝している。

🔘一日一句

 

土用芽に大樹と成らん志(こころざし)

 

 

🔘俳句歳時記をめくり「土用芽」という言葉を教えられた。夏の土用、ちょうど今頃に芽吹く二次的な新芽のことらしい。それを知って歩きながら健康公園周辺を観察すると確かに色々な樹々に新芽が出ている。

当分気温は高いままなので生き残れることを理解して樹は春先に次いで新芽を出すらしい。私の勝手な想像では新芽を出して暑さの息抜きをしているような気もするのだが。

色々な土用芽(他の葉と違い瑞々しい)、

・コナラ

・サクラ

・カエデ

ケヤキ