インドの先行きなど

インドの人口が中国を抜いて世界一(2023年でおよそ14億3千万人)になったことが最近色々なマスコミでとりあげられている。

4~5年前に孫とインドについて話して以来インドの将来は私のウオッチテーマのひとつにしてこのブログでも書いたことがある。

最近インドについては前向きな情報を聞くことが多く例えば以下のようなことである。

・インド系英国首相(リシ・スナク)の誕生

・米国のIT産業は経営者も含めてインド系技術者が中心になって成長している。

・2022年GDPはイギリスを抜き世界5位になり近い将来日本を抜いて世界3位になるのは確実。

またインド系の人々が海外特にアフリカ、東南アジアなどで印僑(いんきょう)と呼ばれ確固とした地位を築いているのは周知の事実である。

このような評価の反面、日経新聞の経済教室で現代インド経済が専門の佐藤隆広氏が「モディ政権、経済改革に遅れ」と題してインドの地位を世界大国に引き上げるには一人当たりGDPを本来の潜在能力に見合ったものに成長させる必要があるが、今のところそれは成功していないと断じている。その要点は

・植民地時代、共に英領であったバングラデシュは一人当たりGDPで19年にインドを抜いたが、それは人的資本の蓄積で縫製産業など輸出志向の労働集約型工業化に成功したからである。

・土地、労働、農業など重要な経済改革が不充分で貿易保護政策からも抜け出ておらず経済成長に必要な労働集約型工業化への道筋が見えない。

いわば先頭集団の力や、人口ボーナスで現在のグローバルサウス(南半球を中心にした途上国)のリーダーとしての地位を獲得したが、更にこの先を見据えると国内の制度改革と底上げが不可欠だということだろうか、私も全く同感であり日本の友好国としても是非頑張って欲しいと願っている。

 

【春雨に讃美歌溶けてやはらかに】

 

🔘健康公園、カナメモチの花