民放のプレバトやNHK俳句でその辛口のキャラクターが人気の俳人・夏井いつきさんの「日々是「肯」日」を読み終えた。
この本は春・夏・秋・冬・新年の歳時記に合わせた五季ごとに、俳句、文章、写真で綴られた作品で、そのまえがきのなかで作者は、
『そんな生きづらい日々の中にも、小さな喜びがある。俳句は、その見つけ方を教えてくれます。この本は、俳句と共に生きる私の「喜びの遊び」を綴ったものです』
とTVと違う語り口で書かれている。
全部で36載せられている俳句のうち、個人的に一番私が共感したのは、現在の季節にピッタリの、「梅雨を過ごす」というエッセイの付いた
【幾百の本を砦に梅雨籠】
また「一句から現れる無数の記憶」と題したエッセイのなかで『俳句を読み解くとは、提示された十七音の言葉から様々に想像を巡らせていく作業。作者にとっての事実は一つだが、読者にとっての鑑賞は無数にある。』
と書かれてあるなかで紹介されている、ある句会ライブで全員の多数決により一位となった小学一年の女の子の句
【けさはもう二回おこられ花のあめ】
そのときの女の子のコメントが「ピアノとごはんをさっさとできなくてママにしかられたの」とはにかんだそうであり、こちらまでホノボノとするエピソードである。
🔘私の一句
【つい声が低くくぐもる梅雨籠】
🔘健康公園のシロツメクサ