英雄たちの選択「信長最大の敵・大坂本願寺」

戦国時代が終わりを迎えようとしている時期、天下統一を目前にした織田信長と大坂石山に本拠を構えた一向宗(現在の浄土真宗)の本山・本願寺第11代門主(もんしゅ)・顕如(けんにょ)との戦いは今まで色々な歴史家や小説家がそれぞれの切り口で分析調査し発表している。

大方の見方は合理主義者の色合いが濃い織田信長と旧勢力、宗教勢力の代表とも云える本願寺という全く立場が異なる者の最終決戦という理解だろうか。

NHKBSプレミアムの歴史番組で歴史家・磯田道史(いそだみちふみ)さん等が中心になって進行するのが「英雄たちの選択」という番組でキャッチフレーズが

【歴史を大きく変える決断をした英雄たち。その心の中に分け入り、ほかにどのような選択肢があったのか?選択の崖っぷちに立たされた英雄たちが体験したであろう葛藤を、専門家の考証に基づいて読み解く】

で、ナレーションを担当する俳優の松重豊さんの声がなかなか良く番組にマッチしている。

私は番組表を見ながら自分の気になるテーマの時だけ録画しておき、そのテーマに対する専門家の意見を聞くのを楽しみにしている。

今回の「信長最大の敵・大坂本願寺~歴史を変えた11年戦争~」は以前から繰り返し情報を得ているなかで自分なりの見解と専門家の意見がどう違うのか楽しみに録画再生したものである。

番組の中で感心して新たな知見となった専門家の発言は以下の通り。

城郭考古学 千田嘉博(せんだよしひろ)氏
・大坂の上町(うえまち)台地上に有った本願寺は地形上から見て天然の要害になっている。

歴史学磯田道史
本願寺に荷担すれば来世は極楽が保証され、現世では戦国大名や旧来の寺院に富を奪われないとの利益が人を集めている。
本願寺が近世城下町の先駆けを作った。

歴史学 堀 新(ほりしん)氏
・従来、織田水軍が毛利水軍を打ち破った第二次木津川(きづがわ)口の戦いでは織田水軍は鉄甲船(てっこうせん)で勝利したとされているが鉄張りの船というのは大袈裟過ぎる。

◎宗教はもともと心の平安をもたらす為にあるものだと思うが、過去の歴史はそれが先鋭化すると逆に争いに繋がることを繰り返し示している。

◎小さな可愛らしい花
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