「パンタレイ パングロス」

昨日は朝から雨模様でいつもの「歩き」にも行けず思い立ってコロナで一年以上ご無沙汰している「コメダ珈琲店」へ車で出かけてきた。

モーニングセットでコーヒーとトーストゆで卵を頼んでみたが今までと変わらぬ味で、また支払いには1年以上持ったままのコーヒー回数券が使用できて何か得した気分になった。

お客さんは思ったより少なく、ゆったりと「週刊文春」を読み始めて懐かしい生物学者福岡伸一さんの連載エッセイ「パンタレイ パングロス」が目にとまり面白く読ませてもらった。

福岡伸一さんについては2019年10月12日のこの日記で「好きなことが君を励まし続ける」との題で書かせてもらったことがある。

ちなみに聞きなれない「パンタレイ」とは古代ギリシャの哲学者の言葉で〈あらゆることは偶然で、全ては移ろう=万物は流転する〉の意味で、「パングロス」とはフランスの小説から採られた言葉で〈全ては宇宙の偉大な設計者によってあらかじめ計画されている=予定調和〉とのことらしく福岡さんは相反している言葉をバランスを取る意味から並べている。

エッセイの方は「好きなことが君を励まし続ける」の続きとも云えるような内容で

『子供の頃に出合った「好き」を大切にしてその「好き」を追求しながら勉学に励むという事自体はとても素晴らしいことだと思う。しかしその成果や達成は短平急に求められるべきでないーーーーー自然はそんなに単純に出来ていないという諦観(ていかん・あきらめ)を熟成していくのが学問や研究するということ。ーーーー人生は長い晩成型がよいと思います』
と記される。

◎読んでいて全く同感で、直ぐに役に立つものは多くの場合長続きしない。中国の老荘思想の言葉「無用の用・役に立たないと思われるものが実は重要な役を果たしている」にも通じるような話だなと朝から少し考えさせられた。

◎ここ数日「あられ」や冷たい雨に断続的にみまわれて、一番心配したホウレン草だが、今朝雨上がりに見ると何とか無事に乗り切ったようだ。もうじき収穫出来そう。
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