「天気予報入門」

NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」や真鍋淑郎博士のノーベル物理学賞受賞などに触発されもう少し気象のことを知りたいと思っていた矢先、近くの図書館の新刊書コーナーで、古川武彦、大木勇人共著「天気予報入門」講談社 BLUE BACKS 刊を見つけ、借出して読み終えた。
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副題が「ゲリラ豪雨や巨大台風をどう予測するのか」になっているように、「はじめに」の中で、「毎年のように発生する気象災害を前にしてこれに備えるための天気予報の役割がますます重要になっておりその予報の仕組みを解説する。」とこの本の目的が記されている。

全体が2部構成で
前編 ・〈人による予報の時代ーー観測、気象の理解から予報へ〉では気象の物理や気象観測と予報の歴史を含む基礎的知識が説明される。

後編・〈コンピュータによる予報の時代へーー数値予報とは何か〉では現在主流になっている、観測の数値データをコンピュータやスーパーコンピュータを用いて計算し予報値を出力する方法が概説される。

書かれてある情報が多過ぎてブログに書ききれないが、私の個人的な観点で新しい知識になったことや驚いたことの一部は以下の通り

※近年の台風の強靭化(きょうじんか・風や雨が激しい)は地球温暖化による水蒸気量の増加や、深い海水温迄もが上昇することにある。
従来暴風で海面がかき混ぜられると少し深いところの冷たい海水と混ざり台風の発達が抑制されたが、この抑制機能が発揮できず発達を続けてしまう。
また線状降水帯の多発も海水温上昇と関連が深い。

※現在の日本の気象観測システム
・気象レーダー観測20地点
・高層気象観測(ラジオゾンデ・気圧、気温、湿度、風向風速)16地点
・高層気象観測(ウインドプロファイラー・風向風速)33地点
人工衛星観測
・地域気象観測システム(アメダス)1300地点
・地域気象台測候所と気象庁本庁で双方向データ集信分析

※現在の数値予報は、地球大気を水平方向垂直方向に細かく区切ったモデルを使う。格子ひとつは約20km四方が基本で、この格子一つ一つに気象データを当てはめ、これらの数値をもとに物理の法則にしたがって計算を行い将来値をはじき出す。
データのない格子は過去の予報値を補正しながら継続して信頼性を上げていく。

・降水確率は20kmの格子を更に細分化し、5kmと1kmの格子を想定、例えば5km格子中に存在する1kmの格子25個の内、何個の格子が1mm以上の降水が予測されるかで算出する。
25区分の内18区分が1m以上の予測になった場合は18÷25=0.72 より約70%の降水確率になる。

◎対象があまりに深くて広い為とても理解出来たとは言えないが、取り敢えず一歩前進と前向きに考える事にした。

◎色違いで同じ仲間のような気がする、防災センターにて。
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