川にはびこる雑木から見る治水の現状

昨日は未明から雷、強い風、強い雨の音で2~3度目が覚めてしまった。
九州熊本で大きな被害も出て、被害は他の地域にも拡大していくニュースが流れており心穏やかでは居られない。幸い住んでいる周辺ではありがたい事に警報には至っていない。

近くを流れる大河と言えば大和川で奈良から大阪を抜けて堺の海に注ぐ。
実はこの大和川の橋を通る度に、気になっていることがある、其は河川敷と川の流れの境界辺りに雑木が繁り一部は小さな林状態になってそれが連続している事である。

普段は何ともない景色かもしれないが川が増水すると流れを阻害すると共に、上流から流れ来る流木や大型ゴミなどが此に遮られ洪水の危険性が増してしまう。

たまたま車で近くの薬局に行く用事があり、少し気になって遠回りして大和川堤防に行き状態を確認してきた。

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濁流で増水はしているものの幸い危険な水位ではないが、既に雑木部分は流れの中にある。

直近の日経新聞記事に有ったのだが日本のデータで、
・一時間に50mm以上の雨量を観測した回数は、1976~85年と、2010~19年を比較すると1.4倍になる。
・河川改修や堤防に使う国の治水予算は2000年度迄は年間1.3兆円程度だったのが現在は1兆円を少し超える程度。

これから分かることは自然条件的に水害が起こりやすくなっているに関わらず対策が以前にも増して出来なくなっている、云わばダブルパンチを受けている治水の現状である。

この大和川内にはびこる雑木を見ると、このデータと併せ先行きが本当に心配される。(取り敢えず国土交通省大和川河川事務所にはメールで意見を伝えておいた。)

国の経済が劇的に改善されない限り治水や洪水対策に投じられる予算は当然限界があるが、限られたものを戦略的な思考でどう優先付けするか、不足する分を地域の力やソフト面での施策でどう補うか、毎年の水害を嘆くだけではなかなか解決しない。