佐藤 優「人をつくる読書術」

佐藤優さんと言うと、どうも今から20年ぐらい前に世間を騒がせた記憶が残る。
政治家鈴木宗男氏と共にロシア外交の関係で背任等の罪に問われ有罪確定、ロシアの関係から、当時のマスコミが名付けた「外務省のラスプーチン」という負のイメージがあった。

その後作家に転身、ノンフィクション分野などで数々の賞を得て才能を開花させている。
復権した鈴木宗男氏とコンビで雑誌などに登場しその博学なところはさすがに外務省で情報分析のプロであったことをうかがわさせられる。

雑誌での記事などから一度は著書を読みたいと思っていたところ近くの図書館で「人をつくる読書術」に出会い借り出してきた。
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〈"本を読む人"だけが得られること。"何を読むか"で人生が決まる。〉のキャッチフレーズが表紙カバーに書かれているように著者の云わば「読書のススメ」であり自身の歩んできた読書遍歴から宗教、哲学、教育の分野を含む色々なススメが出てくる。

内容詳細は別にして私自身が大きな共感を覚えたところが冒頭近くに書かれている教養というものに対する見方。

~~「教養とは、想定外の出来事に適切に対処する力である」
それまで経験したことのない状況や出来事に対してどう判断しどう行動するか。単に知識の断片があるだけでは対応出来ない。情報力、洞察力、想像力、分析力、判断力など、その人の全人格、能力が試され、「総合知」が不可欠になる。それがすなわち教養だと私(著者)は考える。~~

著者は読書という事から知力の部分を強調して表現しているが、私自身の経験からすると、実際の場面では「想定外の出来事に適切に対処する力」はこれらに加え体力、云わば健康力を加えた総合力ではないかと思うのだが。

何れにせよ読書がその人の教養の過半を形作るのは間違いないように思われる。

◎雨上がりの歩きの途中、道端の小さな花
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これはつぼみの状態でしょうか?
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