山口銘菓・外郎(ういろう)

山口県に在住の同級生からコーヒー豆と山口の銘菓「外郎」を贈って頂いた。
私がこのブログに時折喫茶店の事や、お菓子のことなどを書いているのを見て贈ることにしたと書かれており恐縮、感激してしまった。

山口県の宣伝部員として、これは銘菓「外郎(ういろう)」の事を是非書かなければいけないなと強く思った次第です。

ういろうの名前の由来は「チコちゃんに叱られる」と同じで諸説有るようだが変わった名前で、渡来文化の匂いを感じさせる。
名古屋や京都、小田原など全国各地にういろうが根付いているようで、以前名古屋のういろうをお土産に頂いて食べたが山口のういろうとは少し違った食感だった。
どうも名古屋はうるち米、山口はわらび粉が主でこの事が食感の違いに影響していると思われる。

頂いた山口ういろう3種類の内、今日は早速、「黒外郎」と表示の黒砂糖が練り込んであるものをコーヒーと一緒に食べてみたがういろう独特のあっさり味で黒糖が少し入り込み、とても美味しく一本そのまま平らげた。

名古屋との勝負は断然山口の勝ち、徳川ご三家筆頭・尾張徳川家外様大名・毛利家の戦いながら行司は断然格下の外様大名に軍配をあげる。
(残り2種類の内、白外郎は白砂糖を使った普通の外郎、抹茶外郎は抹茶を練り込み)

山口県を構成する旧周防、長門国地域は中世以降、厚東氏、大内氏、毛利氏と統治者が変遷したが、山口のういろうは大内氏が地域の覇権を握った時代、その本拠地でつくられ始めたものらしく製造元も山口市周辺に有名店がある。

当時の山口は、大内氏が朝鮮や中国との貿易で蓄えた莫大な富で賑わい、京から公家や文化人なども集い、西ノ京と呼ばれていた。
また大内氏は自らの出自を朝鮮半島百済の王族と称しており(現在の歴史学では否定されつつあるが)渡来文化を受け入れる素地もあった。この様な京文化と渡来文化を併せた環境の中で、新しい名前の新しい菓子が生まれたと勝手に想像している。

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