李登輝氏の訃報

数日前より容体の悪化が伝えられていた台湾の元総統・李登輝氏が亡くなられたとの報道に接している。

あまり政治的なことには関わりを持たないが、外国人のなかで尊敬する人物の一人だった。
当時の京都帝国大学の出身との事だが、日本の歴史や文化にも造詣が深く、例えば作家司馬遼太郎さん等とも親交があり対談を読むと、長く外来政権に支配された事を「台湾人の悲哀」と表現し、深い知性を感じさせる人だったと思う。

戦後、中国本土で蒋介石の国民党と、毛沢東共産党が内戦を戦い、敗れた国民党が、台湾に逃れて政府を作り、国民党由来の本土出身者が要職を占める時代が長く続いたが、台湾出身者で初めて副総統から総統になった。

此れには蒋介石の子息で後継者蒋経国氏の英断があったと言われ、自らの後継に反対を押しきって、台湾出身者の李登輝氏を指名してその後の総統民選化や民主化への道を開いたが、主権在民の思想を台湾に根付かせ、今の台湾の基礎を作ったのは李登輝氏の功績と言えるだろう。

私も現役時代、首都台北の西側、林口地区の家電工場を中心に仕事で何度も台湾を訪れ、故宮博物院中正紀念堂等の見学と共に飲茶なども美味しく頂いたが、何より訪れる度に街中でピリピリとしたところが少なくなり穏やかに変わっていく印象があった。

今、台湾は中国本土との関係など厳しい局面を迎えるなかで、ひとつの精神的支柱を失ったとも言えるかも知れない。
個人的にもとても残念でならない。

◎ナスの花、インターネット先生に教わり雌しべと雄しべの状態で肥料の効き具合がわかる様になってきた。今年は去年以上の収穫を目指している。
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