すもも(李)のはなし

毎朝の習慣で朝ドラ「ちむどんどん」土曜ダイジェスト版を観た後、隣接の健康公園に「歩き」のノルマを果たすべく向かったが、今朝は今まで気付かなかった懐かしい果実「李(すもも)」の樹に出会った。

歩いていると樹を見上げている人がいて、何事かなと思い見ると「すもも」らしき実がなっている。
まだ青味が勝っており食べるには早そうだが子供のころ食べた酸っぱい想い出が甦ってきた。

公園の管理の人に訊ねるとやはり「すもも」で本来は落ちた実を拾うのが原則だが、手の届く範囲なら採っても構わないとのことであった。

手の届くところにいくつもあり実が熟すのが楽しみになってきたが、多分みんなが分かっておりおこぼれにありつけるかどうか心許ない。

「すもも」は「李」と書いて中国などではとても多く栽培されており

【李下に冠を正さず】

【桃李もの言わざれども下自ら蹊(みち)を成す】

など今に伝わることわざの源になっている。

またこの「李」は中国や韓国にとても多い姓で「イー・リー」と発音する。
私が上海の工場に駐在していた際の現地側の責任者が「李 学良」という名前で当時「リーさん」と呼んでいた。

余談だが、この名前を今でもはっきり覚えているのは戦前、満州に君臨し、日本軍が爆殺して大事件になった人物「張作霖(ちょうさくりん)」の息子の名前が「張学良」で、彼が中国国民党共産党の合作を狙って引き起こした国民党の指導者・蒋介石(しょうかいせき)の監禁が近代中国の転機ともなった「西安事変」で、私がリーさんに「張学良と同じ名前やなー」と言ったことがある。

ちなみに中国・唐の国姓(皇帝の姓)は「李」で例えば実質的に唐を建国した第2代・太宗は「李 世民」という。
また近代まで続いた朝鮮王朝・李氏朝鮮を建国したのは韓流ドラマにも出てくる太祖「李 成桂」である。

すもももももももものうち】という早口言葉があるが、「すもも」はどちらかというと桃より梅に近いような感じがする。

🔘初心者の短歌です。
【見上げれば 青き李(すもも) 鈴なりて 酸っぱさ早く 口中(くちなか)満ちる】