孤独な鳥の五つの条件

図書館で本を借りたり、本屋で本を買うときじっくり中身を見ずに著者名などで衝動的に選択すると、既に読んでいるものを再度読む羽目になり、暫く読んでから気がつくことになる。

下重暁子著「極上の孤独」幻冬舎新書刊もその一つで、元アナウンサーの下重さんは世間の風潮に反してしきりに孤独のすすめを説いておられ、私も共鳴するところがありつい手に取ってしまった。

最初のページ「はじめに」を読んでいき、女優大原麗子さんの孤独死のところで2回目であることに気がついた。
前回読んだ時にも心に残っていたのだが再び読んでも響くものがある。

下重さんは大原麗子さんの死が誰にも看取られなかった事で世間が孤独死でかわいそうと見る風潮に疑問を投げかけ、その訳として、大原さんの家の衣装部屋に貼ってあったスペインの詩人が詠んだ詩、「孤独な鳥の五つの条件」を挙げ、本人にとっては充実した素晴らしい人生だったかもしれないと書いている。

1、孤独な鳥は、高く飛ぶ。
2、孤独な鳥は、仲間を求めない、同類さえ求めない。
3、孤独な鳥は、嘴を天空に向ける。
4、孤独な鳥は決まった、色をもたない。
5、孤独な鳥は、しずかに歌う。

下重さんは中でも5に惹かれると書いているが、私は5もなる程良いが、鳥が懸命に大空に飛び立つ瞬間が想像できて3も良いように思う。