適塾⑤大阪大学とのつながり

適塾と故郷の関係などをこの日記に書いてきたが色々調べるに当たって、適塾建物の保存や研究に尽力されている大阪大学適塾記念センターの研究員の方にお世話になった。

その過程で何故大阪大学適塾に資源を振り向けているのか、疑問であったが、ここにきて漸く解答に出会った。

適塾記念センターが募集されている「適塾記念会」に以前入会したことで送られて来た会誌「適塾52号」をこの正月読んだところ、大阪大学村田路人教授の講演録に記載があった。

その経過は
適塾は役割を終えるまで私塾で大阪大学の機関とは無関係。
緒方洪庵達が設立した大坂除痘館(天然痘予防・治療)は曲折を経て明治6年設立の大阪府病院に機能が引き継がれ、大阪府病院は様々な変遷を経て大阪医科大学となり後、昭和6年大阪帝大医学部となって大阪大学のルーツを形成する。
③こういう経過を踏まえ大阪大学は稀有な文化財である適塾を顕彰保全し後世に伝える責務を負う
とのことであった。

これを読みつつ、来年度4月以降の会費支払いが未だなのを思い出しこれはいかんと、正月早々近くの郵便局に行ってきた。

今の教育は財政上のこともあり直ぐに役に立つものが優先され「適塾保存」のような地道な活動は『無用の用』と言う事が広く認知されないと、なかなか難しいと心配する。
然し大阪のど真ん中に適塾が昔のままの姿で維持され、地道な研究が継続されていることが大阪の今後にとって大きな価値を持つことは間違いないと思う。