「学芸員」を目指す人

朝日新聞の教育欄に、受験生に向けて先輩が語ることを記事にした「受験する君へ」と言うコラムがある。
今週、美術館や博物館等で働く「学芸員」を目指す奈良大学文化財学科で、母親譲りの歴史好きで「城郭研究会」サークルに属して好きな事を職にする為の勉強に励んでいる学生さんの記事が載っている。

私もリタイヤ後に気になっていた郷里の歴史などを少しずつ調べ始める過程で、この学生さんが目指す「学芸員」の方に話を聞いたり不明な点を尋ねたりして大変お世話になっている。

最近でも
下関市立歴史博物館
山口県立文書館
大阪大学適塾記念センター
山陽小野田市民俗資料館
等に所属する「学芸員」の方々にお世話になった。

これらの方々とメールのやり取りや話をしていて感じるのは私のような部外者に対しても親切で、当然ながら専門性の溢れている事だろうか。
これらが好きなことを仕事に出来ている事に由来するのかは判らないが、私のような歴史に興味があるものからすると身近に史料が沢山あり羨ましいとも言える。

然し仕事となるとどんな事でも義務感やプレッシャーから無縁なことはあり得ないはずで、私の全く個人的な考えでは、仕事は置かれた立場で全力を尽くし、一番好きなものは趣味にそっと置いておくのが良いような気がするのだが、今の風潮のなかでは古い頭だと思われそうな気もする。

学芸員」の仕事は製造業等と違い、直ぐに目に見えて社会に役立つようなものではなく、長い目で見た評価が必要で、このような地味な事に敢えて邁進する若い人たちがあちこちに居ることが、確かな日本の底力だと言えなくもない。