禅寺の食事担当・典座(てんぞ)

明けましておめでとうございます。寒いけど清々しい朝です。

NHKBSの番組「新日本風土記」は背景を流れる音楽、松たか子さんのナレーションなどが本当に心地よく私の一番好きなTV番組であり正月初めの日記にこれを選んだ。

この番組には時折「新日本風土記選」という枠があり放送済みのものを再放送する時間がある。
私はこの番組のファンなので過去見たものでも録画が習慣になっており昨年末紅白は見ずに「永平寺」を再度見る事になった。

永平寺は言わずと知れた曹洞宗の開祖道元が開いた福井県にある禅道場兼曹洞宗大本山なのだが、修行僧の日常や地域と結び付いた映像がゆっくり流れる。
この中で修行僧の食事を受け持つ高位の僧「典座」(てんぞ)が紹介されている。

元々「禅」では世界の現象全てが学問や修行の対象とされ、料理や掃除も修行でありとりわけ命を養う食事は重要とされる。

鎌倉期に中国に渡った道元は、修行寺に行く許可が出るまで港の船で起居してた際、たまたま現地の老典座に出会い、教えを受けたとされ、その経緯が作家司馬遼太郎さんの「街道を行く」18巻「越前の諸道」と19巻「中国江南のみち」に載っている。

道元は修行を経て「典座教訓」という典座の職務や禅と食との関わりを記した書物を後世に残すのだが、「新日本風土記永平寺」では今もこの道元の教えが脈々と受け継がれていることを伝えている。

ここまで書いて、ふと思ったのだが、そうすると食事の用意をする世の奥さん方は毎日禅修行に勤しんでいることになるのだが、各々修行の成果は如何に?