西行と東行

昨日のこの日記に古稀を喜ぶべきか哀しむべきかと書いたが今日、昔定年直後に書いた手帳を別件で読み返しているなかでやはり大いに喜ぶべきと思い至る歌に再会した。

西行法師が2回目の東国への旅で詠んだ歌

「年たけてまた越ゆべしと思いきや命なりけり小夜の中山」                       

 東海道掛川にある「小夜の中山」は鎌倉時代当時有数の難所で1回目の若いときと同じように越えることが出来たのも命のあるお蔭だとの心境を詠んだものらしい。

そう考えると歳をとってまだ色々と何か出来ることは大いに喜ぶべき事と更に前向きになれる。

西行上皇に仕える北面と呼ばれる武士  佐藤義清(さとうのりきよ)だったが突然出家する。NHK大河ドラマ平清盛」では今テレビ小説「なつぞら」でなつの父親役藤木直人さんが清盛の友人西行を演じていた。

ところで長州奇兵隊創設者 高杉晋作墓所山口県下関市吉田にあり東行庵(とうぎょうあん)と呼ばれる。

高杉晋作は後に高杉東行と号したからだがこれは西行に倣ったもので

「西へいく人を慕いて東行くわが心をば神や知るらむ」高杉の詠んだ歌碑が東行庵にある。

東行くとは徳川幕府打倒の意味という解釈をする人もいるらしいが私は西行と同じく時季が来たら漂泊の旅に出たかったのではないかと感じるがさてどうだろうか。