「わたしの金子みすゞ」/小城羊羹②昔ながらの羊羮

🔘「わたしの金子みすゞメディアファクトリー刊は懐かしく少し不思議な絵と詩がコラボした本である。

金子みすゞさんはこのブログでも何回か触れたことがある、大正から昭和初期の私の同郷・山口県日本海側仙崎出身の童謡詩人。

絵を描かれているのは漫画家・ちばてつやさんで私も「紫電改のタカ」「あしたのジョー」「のたり松太郎」「あした天気になあれ」など特徴的な人物像が記憶に残っている。

ちばてつやさんが仕事に走り続けるのを止めて、ゆっくり歩き始めた頃に出会ったのが金子みすゞさんの詩とのことで、『この本は「みすゞお姉さんとてっちゃんの絵日記」みたいなものです』と書かれている。

全ての詩と絵を載せるわけにはいかないので私の好きな「大漁」を。

朝焼小焼だ大漁だ 大羽鰮の大漁だ

浜は祭りのやうだけど

海のなかでは 何萬の

鰮のとむらひするだろう。

ちばてつやさんも書いておられるが、金子みすゞさんの常人にない発想に驚かされる。

🔘9月1日のこのブログに懐かしい佐賀県の名産・小城羊羹を頂いたことを書いたが、どうもその前後に、昔の羊羮は表面に砂糖の結晶が浮き出ていて硬かったことを話したらしく、今度はまさにその昔ながらの羊羮を頂くことになってしまった。

製造販売元では、練(煉)羊羹をアルミの包装にそのまま流し込み、空気に触れさせないで表面が軟らかい普段よく見るようになったものと、昔ながらの表面が硬いものと2種類の羊羮を製造されているようである。

竹の皮に包まれた昔ながらの羊羮

アルミ包装されたものと昔ながらのものと比較

製造元に聞くと、昔ながらのものは練羊羹を作ったあと一日寝かせることで表面が空気に触れて砂糖が結晶化し、例えば竹の皮に包んだような状態でもある程度日保ちがするようになるらしく、いわば昔の生活の知恵のひとつであることがよくわかった。

また昔ながらのものは一時製造を止めていたが世間の要望もあり復活させたものであるらしい。

高齢化が進むと経済活性化の小さな切り口のひとつが「昔ながらの」かも知れない。

それはさておき早速味わったが本当に何十年かぶりの感触と味が沁みた。

🔘今日の一句、今月2回目の園芸サークルの活動日は秋から冬にかけての野菜・大根、春菊、ほうれん草、スティックセニョール等の種蒔き。

 

畝立てて老体集い大根(だいこ)蒔く

 

🔘施設の庭、オミナエシ(女郎花)