山口県地方史学会創立70周年記念大会聴講と史跡訪問など③発表内容

記念大会のテーマ『萩藩「一門」研究の新展開』の発表内容については専門的内容が多く濃いため、ここでは発表された六つのテーマについて簡単な紹介に留めさせてもらうことにした。

(尚一門家についての基礎的なあれこれは11月28日のこのブログを参照下さい)

1、三丘宍戸家・右田毛利家、萩藩一門が用いた文書とその色ーーー山崎一郎氏(山口県文書館)

萩藩が紙の公私を区別するためや、私的流用を避けるために始めた公用紙を黄紙とすることが一門に広がり、各家独自の色付き紙の使用の実態と用い方にみる考え方が追跡されている。

2、厚狭毛利家、「厚狭毛利家文書」ーその保存と活用をめぐってーーー山本明史氏(山口県文書館)

私も活用させて貰っている文書がどの様な経緯で保存されるようになったかを追跡されている。

特にこの中でこの文書が地元に移管される経緯を書いた郷土史家の手記が「文書館ニュース」という媒体に掲載され、ネットで閲覧できることがわかったことは収穫であり後日じっくりフォローさせて貰う。

また発表者の方と休み時間に会話させて貰うなかで、出身が厚狭の山野井地区で、更に私のブログ「厚狭吉亭日乗」を何時も見て貰っている事が分かり感激した。

3、大野毛利家、大野毛利氏の関係史料についてーーー和田秀作氏(元山口県文書館)

大野毛利家の歴史と現在までの研究状況、このベースとなる史料など。

4、吉敷毛利家、吉敷毛利氏の残影ーその文化財的アプローチからー

吉敷地域の風土、地勢、歴代、史料などから一門の歴史的空間を考える試み。

5、阿川毛利家他、景観から読む在郷における一門の在り方ー阿川毛利家を中心にー

阿川地域の景観を読み解き、その歴史的経過を追跡することで一門の在郷支配にアプローチする。

6、須佐益田家、萩藩永代家老須佐益田家の葬制についてーーー柏本秋生氏(萩市文化財保護課)

各地の墓所、墓石を調査解析する事でその葬制に迫る。

🔘私自身は厚狭毛利家のみにアプローチしてきたが県全体でこのように色々な試みが実行されていることに刺激と感銘を受けた。

🔘会の出席者に山口県地方史学会が発行する2013~2023年の山口県地方史関係文献目録が配布された。

帰宅して読み返してみると「郷土随筆随想」というカテゴリーに私が発行した本「厚狭吉亭日乗ーふるさと厚狭&歴史の彼方から」が文献として登録されており大変嬉しい。厚狭図書館に寄贈したものが県にも廻ったものと思われる。

🔘今日の一句

 

鴨母子シンクロの如餌を採り

 

🔘施設の近くのススキ(芒)、今年は夏暑く雨が少ないこともあり周辺のススキは去年に比べて勢いがない気がする。