山口県地方史学会創立70周年記念大会聴講と史跡訪問など④菜香亭の書

大会を終えて、同級生に山口市にある「菜香亭(さいこうてい)」に連れて行って貰った。明治時代に山口の迎賓館と呼ばれた料亭で元々別の場所にあったが、廃業を惜しんだ市民の請願で、現在地に観光や市民交流の場として移築公開されたものであるらしい。

広間より庭をみる

私が書に多少の興味を持っていることから連れ出して貰ったもので、歴代総理大臣などの要人の書の扁額多数が百畳の大広間に掲げられれいる様はまさに圧巻である。

ちなみに由来を読むと「菜香亭」と命名したのは長州出身の明治の元勲・井上馨で、当時の料亭主人の名・斉藤幸兵衛の斉と幸の音を使って名付けたそうである。

扁額は30余り有り全ては載せきれないので、ここでは長州出身の明治の元勲や総理大臣に絞って載せさせて貰うことにした。

1、木戸孝允 「清如水平如衡」(きよきことみずのごとくたいらかなることはかりのごとし)

清廉ではかりのように公平を期す

2、伊藤博文「一家天地自春風」(いっかのてんちおのずからしゅんぷう)

一家のようになれば自ずから春の風が吹く

3、井上馨「四面菜香滌気心」(しめんのさいこうきごころをあらう)

菜香亭に来て気心が洗われた

4、山県有朋「江山豁如」(こうざんかつじょ)

山川が開けて眺望が優れている

5、山田顕義「万象具眼」(ばんしょうぐがん)

あらゆる物事の本質を見抜く能力を持つ

6、寺内正毅「広公益開世務」(こうえきをひろめせいむをひらく)

世の中の役に立つことに務める

7、田中義一「義気凌秋日」(ぎきしゅうじつをしのぐ)

私の義侠心は秋の日をしのぐほど強い

8、岸信介「澄心静慮」(ちょうしんせいりょ)

心を澄まし静かに考える

9、佐藤栄作「独坐大雄峯」(どくざだいゆうほう)

禅語・自分が生きていることこそ尊い、唯我独尊?

10、安倍晋三「寂然不動」(じゃくねんふどう)

心静かに何事にも動じない

🔘書の優劣は解らないが、それぞれの文字や内容に個性がにじみ出ているのは間違いない。個人的には言葉の意味などを含め木戸孝允の書が最も人柄を表しているような気がする。

🔘今日の一句

 

先覚の書が出迎えし国の冬