「科学者の俳句」

NHKEテレに週一回のペースで「NHK俳句」という番組が放送され私のような初心者も含めて対象とする番組なので定期的に視聴して、そのテキストも垂水に用事で出るついでを利用して月毎に購入し始めている。

そのテキスト8月号では特集として「先生の俳句・科学者編」と題して、俳人の岸本尚毅氏が著名な科学者4名の詠んだ俳句を「科学者と俳句の関係性ー科学技術と俳句とはどう関わったか」として論じている。

本来水と油のような、理系の物質を探求する科学と文系の言葉文化である俳句がどう関わるのか、もし両立出来ればこの答えも自ずと出来上がるような気がして、これに挑むことが出来た人が羨ましく感じられる。

ここではその個別の関り合いは割愛し、科学者4人の挙げられている作句のなかから私が好きと思える一句を抜き出してみることにした。

(紹介文は岸本氏のものをそのまま使わせて貰った)

夏目漱石門下の随筆家、物理学者の寺田寅彦

 

哲学も科学も寒き嚔(くさめ)かな

嚔:くしゃみ

 

・現代俳句で異彩を放った化学者の和田悟朗

 

百日紅動かざるもの動かざる

 

・気品あふれる俳句が読み継がれる電子工学技術者の田中裕明

 

原子炉に制御棒あり日短(ひいみじか)

 

・東大総長、国会議員なども歴任した国際派俳人、物理学者の有馬朗人

 

返り花苦学の日々に行きし道

返り花:11月頃の暖かい日に時ならぬ花が咲くこと

 

🔘確かにそれぞれ科学者が詠んだ俳句のように思える。

 

🔘一日一句、同じブログに書くのもおこがましいが少しでも近付くべく。

 

片翅の骸(むくろ)曝して秋の蝉

 

🔘施設の庭、秋の気配を感じるパンパスグラス

芒よりパンパスグラス尾花らし