ブリジストンのEV対応

一昨日のこのブログで自動車産業が直面する脱炭素~EV(電気自動車)化の動きについて書いた。

この動きは自動車産業を下支えする部品メーカーも完成品メーカー以上に揺らしており、例えばエンジン関係の部品メーカーは仕事が無くなる事態に直面する。

反面、世界有数のモーターメーカーに成長した日本電産などは更なる業容拡大の機会がそこにある。

そんな中、日経新聞に掲載された「ブリジストンEV整備の黒子」「進む水平分業が商機」「車新興の保守サービス狙う」との見出しの記事はタイヤメーカー・ブリジストンが迫るEV化の大波の中で生き残りを目指して新たなビジネスを立ち上げようとするもので個人的にその着眼点の素晴らしさに感動してしまった。

ブリジストンは云わずと知れた日本を代表する企業のひとつで米国タイヤメーカー・ファイアストンを買収して、世界No1タイヤメーカーの座をフランスのシュランと争っている。
しかし近年中国の新興タイヤメーカーなどの低価格品の追い上げが激しく収益悪化に直面している。

例えEVであってもタイヤは4本必要でタイヤメーカーは一見その影響を受けにくいように見えるが車体の軽量化などで新興タイヤメーカーの入る余地が大きくなり既存メーカーは安泰とは云えない。

そんな中のブリジストンの狙いは
☆EVメーカーなどは設計、生産、サービスを分離する水平分業タイプの新興企業が多く自前のアフターサービス網を持たないことが多い。
そこに着目して、日米欧で計約6100店ある直営、フランチャイズ併せた店舗を活用したアフターサービスの請け負い事業を受託することで、既に交渉が始まっている。

☆これに向けた布石として
・出張型保守サービス会社への出資
・定額課金の点検サービスなど顧客との接点強化
・車両のデータ管理や車両管理サービスの会社を買収
などを先行して進めている。

脱炭素は産業界全体の変革を要求しておりこの対応の良し悪しが日本経済の将来を決めるような気がしている。

◎歩きの途中で見かけた歩道脇の花
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