リタイア後の品質談義①品質管理が持つ本質的な課題

日経新聞の社説で「製造業は品質管理体制の再点検を急げ」と題して昨今日本を代表する企業三菱電機、京セラ、日産自動車神戸製鋼所、果てはトヨタ自動車の販社での車検不正等々で起きている品質や検査に関わる問題について、今こそ製造業の原点、基本に立ち返るよう求めている。

正論であり総論としては否定しないが、現役時代品質管理業務にも携わった経験から見て、品質や品質管理が持つ本質的な課題に対する見方や対策が抜け落ちているように思われる。

一般に製造業や生産の3要素としてQ(Quality・品質)、C(Cost・原価)、D(Delivery・納期)があげられることが多い。これらのバランスが生産を形作っている。
これらをバランスよく向上させることが生産工場の使命と言えるかもしれない。

これらの内、CとDは結果が直ぐに現れる。品物が工場で出来上がった時点や、客先に届いた時点で結果は殆んどの場合出ており、担当者、責任者、経営者には自ずとその評価が示されていることになる。

しかしQの品質は、厄介なことに一部の見栄えや外観上の項目を除きその最終評価は時間的に遅れてやってくる。
数ヵ月後、数年後、甚だしい場合は10年以上の歳月をかけて表面化する。

そのときには往々にして直接の責任者や経営者は他に転じていたり変わっていたりしてしまう。大企業など特にその傾向がある。

昨今の品質問題発覚時の記者会見の場でも、直接自分が担当していたことではないが経営責任者としてお詫びする、責任を取るという形が多く見受けられる。

このような実態である以上、責任者や経営者は目先に評価が示されるCやDに資源を優先的に振り向けたり、CやDに重きを置いた判断を仕勝ちになる。

一定以上の役職の業績評価のうち品質に関わる事項については何らかの規定を設け一定期間を経た後に評価が確定し報酬も何らかの方法で調整するようなことを検討する必要があるのではないだろうか。

最近の日本企業の品質問題については他にも潜在的な問題があるが今回はここまで。

☆昨日はホームコースでいつものメンバー3人と猛暑日ゴルフ、3人とも70歳台、氷嚢(ひょうのう)で身体を冷やしながらホール毎にスポーツドリンクを飲んで熱中症に対応、何とか最後まで持ちこたえた。
スコア-45、43、トータル88で90切り目標達成、帰途ローソンでアイスコーヒーブレイク、この過酷な条件下よく頑張ったと1人で納得。

◎帰り道で撮ったショートホール、右の広い池と左に迫るOBゾーンがプレッシャーになる。
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