一時は世界を席巻していた日本の家電産業は昨今凋落が甚だしい。
永年籍を置いた業界が中国や韓国メーカーの後塵を拝するのを見ているのはなかなか辛いものがある。
その凋落の要因については
①国内にメーカーが乱立して過当競争を演じた。
②高品質多機能にこだわりすぎた。
③世界各地の求めるものと製品が乖離してガラパゴス化していた。
④多くの異なった商品(映像機器、冷蔵庫、空調機器、音響機器、調理機器etc)をラインナップしているため、商品ごと個々の投資や企画に集中出来ず限界がある。
⑤オーナー企業と違い戦略投資などが遅くなる。
等々何れも一理ありそうな評価がなされている。
そのなかで広義の家電メーカーとも云える空調機器のダイキン工業の躍進は注目に値する。
ダイキン工業は大阪金属工業が名前の由来で、冷凍機や冷媒(れいばい・冷凍機内を循環して熱交換するガス)からスタートしておりいわば空調関係をずっと追求してきた会社と言えるかもしれない。
私が家電に従事していた頃自社のことも含め空調事業はある面バクチに近い事業と思われていた。それは例えば暑い夏がくると爆発的に売れて商品が足らなくなり、暑くない夏だと在庫の山赤字の山が出来ることに由来している。
ダイキンはこれらを乗り越え今や空調事業では販売額世界一と云われるようになり、最近の日経新聞の記事によると米国のシェア現状第二位17%(一位は21%)を現地販売会社の買収やインバーター(周波数を変換してモーターの回転数を最適化する)を始めとする省エネ技術、空調の遠隔監視システムの導入などを通じ2025年にシェア一位を目指すとのことである。
このダイキンの健闘は事業を絞り込んでそこへ経営資源を集中させることの大切さを教えているように思われ、日本の家電各社が広範囲に展開していたことの弱点である上記の④を示唆しているように思われる。
【伴走の声迫りくる冬歩き】
🔘近くの花壇に残っている花の一部、これもカタバミの仲間かもしれない。