韓国映画「タクシー運転手・約束は海を越えて」

NHKBSのプレミアムシネマで2017年の韓国映画「タクシー運転手約束は海を越えて」が放映され録画して観た。

録画したのはたまたま日課の録画撮りのために番組表を見ていて、珍しいなと思いつつポチッとボタンを押してしまったに過ぎないのだが、観終わってこのたまたまに感謝したくなってしまった。

韓国の軍事政権時代1980年5月、韓国南西部光州市(クワンジュ)で起きた治安軍隊と市民の衝突、大勢の死傷者が出た光州事件を題材にしたもので、
事件を取材するために韓国にはいったドイツ人記者を、金のために案内することになったタクシー運転手が事件に巻き込まれていく内に使命感に目覚め、危険を省みずドイツ人記者が事件を海外に報道する事を助けるストーリーで、
親子の情愛や、少し荒唐無稽にも見えるタクシー集団の活劇もあり一気に見終えてしまった。

現役時代、携わっている製品の韓国競合メーカーが光州に最新鋭の工場を立ち上げたと言うことを聞き、伝手をたどって見学に訪れたことがある。
当時は全く光州事件の事は知らず、ただ素晴らしい工場に、「やられた」と感じた記憶しかないが、後日に日韓の歴史を学ぶ過程で、このような事件があの場所であったことを知ったが、
更に今回の映画でかなり生々しくこの事件を深く知ることになった。

タクシー運転手を演じた主役ソン・ガンホさんは今年アカデミー作品賞を受賞して話題になった韓国映画「パラサイト半地下の家族」にも出演しているらしいが、笑いと涙の普通のおじさんとしての存在感がとても印象的である。

家に居ながら、無料でこんな面白くて良い映画を鑑賞できていいのか?とつい思ってしまった。

歩きの途中、川通りに自生の花
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