映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」

NHKBSプレミアムで放送された映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」を録画して観終わった。

2017年のイギリス映画で、第二次世界大戦ヒトラーナチスドイツに対峙したイギリス首相・チャーチルの後半生、まさに戦時内閣を率いた当時の物語である。

チャーチルは言葉を操るのが堪能でその演説で国民を鼓舞し続け戦後は「第二次世界大戦・The Second World War」という大著の回顧録を執筆、あまり日本では知られていないが1953年のノーベル文学賞を受賞している。

映画の原題が「Darkest Hour」となっている通り、ナチスドイツがヨーロッパ全土を席巻しフランスに進撃して、大陸にあるイギリス軍30万人がドーバー海峡に面するダンケルクに包囲される最悪の条件下でチャーチルが首相に就任するところから映画が始まる。

ヒトラーとの宥和に傾く政敵チェンバレンハリファックスとの対立、国王ジョージ6世との軋轢と和解、家族や秘書とのエピソードなどを絡めて描かれるが、従来のチャーチルのイメージである何事にも動じない姿だけではなく、目の前の状況と、負っている責任の大きさに迷い悩み逡巡葛藤する人間的な姿が共感を誘う。

悩んだ末に国王の助言を得て街に出て地下鉄のなかで市民の声を直接聞き、徹底抗戦の決断をしそれを踏まえて演説する姿は感動的なシーンになっている。

ダンケルクのイギリス軍30万人を救うため近くのカレーに駐屯する軍4000人を全滅必至でおとり作戦に使う場面など一国のリーダーの決断のあるべき姿を見るような気がした。

チャーチルを演じたゲイリー・オールドマンはこの映画でアカデミー主演男優賞を獲ったがこの見事な特殊メイクを担当しアカデミーメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したのが日本人の辻一弘氏などであるとのこと。

ウクライナで戦火が続いているなか良い映画を観せて貰った気がしている。

 

【気まぐれの雨に悲しや初桜】

 

🔘道端で見かけた小さなイヌノフグリ