タワマンを例にしたメンテナンスの大切さ

昨年10月台風19号による豪雨で、東京湾岸エリア、神奈川県川崎市武蔵小杉駅に近いタワーマンション地下に多摩川の水が溢れて流れ込み地下の電源設備が浸水、トイレやエレベータが使えなくなり大きな話題を提供した。
ちなみに私は初めて知ったのだが武蔵小杉のことを巷では「ムサコ」と呼ぶらしい。

鉄筋コンクリート造りで20階以上の集合住宅を指すタワーマンション、タワマンは先端住居の印象があり、私の住む市のJR駅前にも2棟がそびえ建っている。

どうもあの豪雨災害以降ここ半年、マスコミのタワマンに対する論調が、今まで持ち上げた反動からか一転して冷たくなり、将来的に現在各地にあるニュータウンと同じような問題が顕在化するのではないかという指摘が、集中して多くなって来ている。

中でも経済雑誌や一部新聞の分析記事に共通する、メンテナンスの面から見た問題提起は、以前私が製造業に従事した経験から見てもその内容に説得力があり、私事ながら孫にも伝えておきたい気がする内容である。

その共通する要点は
①必ず補修が必要な第一は、構造物の隙間に充填されるゴム状のシーリング材で、タワーの揺れや紫外線等で劣化し雨漏りなどの原因になる。通常15年位で補修が必要だが、高層の為手間と技術が不可欠で出来ても想像以上にコストがかさむ。

②築30年くらい経つとエレベータや給排水システムの交換が必要になってくるが、特にエレベータは高速仕様で高価格。

③タワマンの持ち主には投資目的の人も多く修繕積立や管理について住民の意見が纏まらないで将来の事が放置されるケースが多い。

特に①は私も以前仕事でシーリング材が身近にあり、その特質から見て非常に説得力がある。

最近感じた私の身近なメンテナンス問題例をひとつ。
私が何時も歩く川の横の歩行路沿いに行政が桜を街路樹として植えたのだが、10年近く経つ現在、桜特有に横に枝が張り始め通行の邪魔になってきた。これを行政が放置しているため住民が勝手に枝を折ったり切断して不恰好な状態が残り、中には枯れてしまったものも出て来ている。

この例は桜を植える時点の問題なのだが、建物を建てたり、物を作ったりする時点で、その後の保全、メンテナンスに費用を含めて考えが及んでいない例は非常に多い。

メンテナンスは明日直ぐに問題が起きるわけではないので、つい後回しにしたり、ひどい場合はその場では全く考えないで済ましてしまうが、そのつけは将来必ずやって来る。

車庫の側面に植えているバラが咲き始めた。真っ赤なバラはそれだけで存在感がある。
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