モロッコに出会う

最近たて続けにモロッコと出会うことになった。

初めはNHKBS番組の録画「迷宮都市フェズ」。

世界遺産で、迷路のようなイスラム旧市街を持つモロッコ北東部の都市フェズに入り込み狭い路地や市場を通りそこに暮らす結婚間近の青年を登場させ、仕事、生活、風俗等を取材していく。イスラムの助け合いや迷宮都市ならではの荷物運びの仕事等も紹介される。イスラムの女性も自由に振る舞える機会が有ることもわかった。

もう1つは先日、日本で行われたアフリカ開発会議(TICAD)で来日した、モロッコと独立紛争中の当事者西サハラの外相インタビュー。

ロッコとの関係に配慮して西サハラを招待しない日本に対する痛烈批判が耳に痛い。

ロッコジブラルタル海峡をはさんでイベリア半島と対峙する北アフリカの王国だが私の好きな懐メロ「カスバの女」の「明日はチェニスかモロッコか  ………外人部隊の白い服」に見られるように旧フランスの植民地でイスラム文化のなかにヨーロッパの文化が少し入り込んでいるような、さらに深く知りたくなる国、出来れば行ってみたい国のひとつと言える。

私の場合モロッコと言えば2つの映画が直ぐに頭に浮かぶ。

ロッコの都市カサブランカで第2次 大戦のレジスタンスを背景にしたハンフリーボガードとイングリットバーグマンの「カサブランカ」。

最後の別れのシーンと台詞が素晴らしい。

ロッコの港町 タンジールを発端に反植民地闘争を背景にしたベルベル人族長ショーンコネリーと彼が誘拐したアメリカ人女性キャンデスバーゲンの「風とライオン」。    

この時ベルベル人という先住民族を始めて耳にしたが砂漠に暮らす民でアラブ人と異なる勇敢な民族であることを初めて学んだ。

両方共に古い映画だが各々歴史的事実を背景にして叙情溢れる素晴らしい映画でずっと記憶に残っている。

ロッコは自国を舞台にした世界に共感されるこれらの映画を持つことで素晴らしい財産を手にいれたことになる。