10月句会

10月1日は住んでいる施設の俳句サークル10月例会で13人の出席であった。

私は今月の兼題「秋風」を含めて以下の5句を出した。

①秋風と連れ立ち帰る墓の道

先日墓参りで帰省した折のことを思い返しながら詠んだ。この歳になると墓参りというのは色々なことが胸に去来する。

②畝立てて老体集い大根蒔く

先日施設の園芸サークルで大根やほうれん草さどの野菜の種を蒔いたときの様子を詠んだ。その後大根の芽の出がはかばかしくなく取り敢えず再度蒔き直すことになった。

③故郷の梨の甘苦を噛み分けて

故郷から届いた梨は大部分甘いなか苦い部分もある。故郷の思い出もこれと全く同じような気がしてこの想いも入れて詠んだ。

④野面積(のづらづ)み遺す古刹や萩の花

先日墓参りで帰省の折、同級生が住むところの中世領主の居館跡に建つ寺などを見学させて貰った情景を詠んだ。

尚、野面積みとは石を加工せずあるがままの形で組み合わせて積み上げる石垣工法のことである。

⑤易々とホバリングして群れ蜻蛉

ようやく蜻蛉が見られる季節になって来たが、本来極めて難しい技術である、空中停止・ホバリングを蜻蛉がやすやすとこなす様子を詠んだ。

・評価は④の句が特選1人並選5人、①の句が特選1人並選2人、⑤の句が並選1人という有難い結果であった。

・③の句は故郷への想いを表現仕切れていないところがある。

・⑤ももう少し違った表現があったのではと考えさせられる。

・私が特選とした句は

風吹きて稲香(いねか)漂う田舎道

で、農家の育ちなので稲が実って風渡る風景や稲田の匂いは記憶に染み付いていて、それが甦って来るような感じがした。

・来月の兼題は「新米」、また11月初めは文化祭で今年詠んだ自分の句のなかから3句を自選し掲示の為に提出することになった。

🔘今日の一句

 

史話伝ふ水のせせらぎ秋の声

 

🔘健康公園、草むらのヌスビトハギ(盗人萩)名前が恐ろしい、実になるとあらゆるところに引っ付いてしまう。