最近立て続けに歌手・加藤登紀子さんが歌う「百万本のバラ」に関するNHKの番組を観ることになった。
何れも90分の番組でそれぞれ
①「"百万本のバラ"はどこから そして どこへ~加藤登紀子 ジョージアへの旅~」と
②「百万本のバラ物語 TOKIKO KATO~歌は国を越えて心をつなぐ~」と題するものである。
「百万本のバラ」はロシア、ラトビア、ジョージアに関連した楽曲で、そのメロディーや加藤さんの訳詩に惹かれ、以前から興味があり2022年9月25日のこのブログに一度書いたことがある。
・ロシアの国民的歌手アーラ・プガチョワさんが歌っていたものを加藤さんが訳した。
・この歌詞はジョージアの画家ニコ・ピロスマニが女優・マルガリータに恋をしたという逸話がもとになっている。
・原曲はラトビア人の作詞作曲による「マーラが与えた人生」という歌謡曲で、子供の心情に寄せて大国の狭間で翻弄される自国の苦難を歌ったものらしい。
現在80歳になる加藤さんは1987年以来この歌を大切に歌い続けて、コロナ禍をくぐり抜けロシアがウクライナ侵攻を行っているこの時期、この曲を生んだ画家・ピロスマニの国ジョージア(旧グルジア)を訪ねてコンサートを開き、その記録が①の番組である。
このコンサートの準備のなかで地元の合唱団と「百万本のバラ」を合唱しようと加藤さんが提案すると団員から「ロシアの歌だから嫌だ」と拒否されるシーンが映し出された。
ロシアとコーカサス山脈を境にして国境を接するジョージアは、2008年ロシアの侵攻を受けており、その地政学的な環境を垣間見たと同時に、ロシア周辺国のロシアに対する見方がよく理解出来た気がする。
②は加藤さんが「来し方を見つめ今に訴えるコンサート」という全国ツアー「百万本のバラ物語」の東京公演を映像化したもので、ウクライナを舞台にしたミュージカル・「屋根の上のバイオリン弾き」のテーマ曲、「知床旅情」、「ひとり寝の子守唄」等々と併せジョージアでのコンサート映像が流された。
その後ラトビアの原曲「マーラが与えた人生」と「百万本のバラ」が合唱団と共に歌われた。
私が一番感動したのが、加藤さんが好きだというNHKのテレビ番組「映像の世紀」に使われる加古隆さんが作曲されたテーマ曲に、加藤さんが「無垢の砂」という題で無名の人々を砂に例えた詩を作り曲に併せて朗読された場面である。
私もこの「映像の世紀」というドキュメンタリーはテーマ曲と共に非常に気に入っていていつも録画して観ている。
🔘今日の一句
長閑(のどか)さや青き瀬戸ゆく白き水脈(みお)
🔘健康公園の草むら、小さなイヌフグリ