愛しのクレメンタイン・Oh, My Darling Clementine

NHKBSのプレミアムシネマで放映された西部劇の巨匠ジョン・フォード監督の「荒野の決闘」を録画して観た。
大分以前に録画したままだったがオリンピックの合間に観終えた。

西部劇では何度も出てくる定番の「OK牧場の決闘」を描いたもので、保安官・ワイアットアープ兄弟と友人のドクホリデイ、対する悪役クラントン一家が対決する。

今までもケビン・コスナー主演の「ワイアットアープ」やバート・ランカスター主演の「OK牧場の決闘」等何度も観た気がするが、それぞれのストーリーには少しずつ違いがある。

今回は1946年のモノクロ映画でワイアットアープヘンリー・フォンダ、ドクホリデイがビクター・マチュア。(私の生まれる前の映画、古い!俳優がまた懐かしい!)

然しのっけからビックリしたのはスクリーンに出てきた原題が 『 John Ford's My Darling Clementine』
日本語の題名「荒野の決闘」とは似ても似つかぬとはこの事だろうか。
おまけにあの懐かしい
♪︎♪︎Oh my darling, oh my darling,
oh my darling, Clementine.♪︎♪︎
の歌声まで聞こえてきた。

映画を観ていくと段々分かってきたが、ジョン・フォードはこの「OK牧場の決闘」のストーリーを作るなかで、ドクホリデイの元婚約者クレメンタインを登場させ、ワイアットアープの恋の相手にして、荒っぽい西部劇に叙情的な要素を持ち込もうとしたようで、その試みは成功したように見受けられる。

元々この「愛しのクレメンタイン」は水の事故で娘のクレメンタインを亡くした男の嘆きを唄ったアメリカ民謡のようだが、この映画のなかでは恋人讃歌のように置き換えられている。

決闘が終わり再会を約した別れの時に、ワイアットアープがクレメンタインに「あなたの名前(クレメンタイン)が好きです」という台詞が「あなたが好きです」というより何倍も効果的に使われている気がする。

全く余談だがこの「愛しのクレメンタイン」の替え歌が日本で作られた「雪山讃歌」であるのは有名だが、この替え歌を作ったのは昭和の南極越冬隊長で知られた西堀栄三郎氏等の山男グループと言われる。
♪︎♪︎雪よ岩よわれらが宿り
おれたちゃ町には住めないからに
おれたちゃ町には住めないから♪︎♪︎

西堀さんは日本の品質管理の先駆者としても著名で、私も現役時代に品質管理を学習する上でその著作にずいぶんお世話になった懐かしい記憶がある。

◎今朝はセミの声が一段と大きい
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