「業(ごう)の花びら~宮沢賢治 父と子の秘史」

NHKBSプレミアムで放送された番組「業の花びら~宮沢賢治 父と子の秘史~」を録画していたがようやく観ることが出来た。

宮沢賢治といえば誰でも知っている詩人で童話作家だが、私の好きな作品は、学校でも習ったことがある詩、「永訣の朝」「雨ニモマケズ」童話であれば「よだかの星」「風の又三郎」などだろうか。

宮沢賢治の地元花巻市に死後建てられた詩碑について、碑文は代表作の「雨ニモマケズ」だが、詩を選ぶに当たって関係者が協議した際に、父親が最初に提案したのは「雨ニモマケズ」ではなく「業の花びら」という詩であったという。

この事実に向き合い番組のディレクターが、なぜ父親が「業の花びら」がふさわしいと考えたのか?父と子にとって仏教用語でもある「業」とは何なのかを追求した番組であり大変見応えがあり勉強にもなった。

(業とは人間の行為全般を指し輪廻転生や因果応報とリンクするが一般的には悪業として捉えられることが多い)

番組では父と子の対立と和解のプロセスに沿って事実を踏まえた推理が交錯するが、ディレクターはかつて対立する最中父と子が共に旅した関西各地の神仏関連施設を実際に歩き、宮沢賢治が生涯独身であった事実にも目を向け読み解いていく。

父と子の対立は以下の二点に由来しておりここでの「業」とは子の同性愛志向を指していると推理している。

・父の信仰する浄土真宗に対し、子は法華宗の教義に救いを見出だす。(阿弥陀経法華経)

・子(宮沢賢治)は同性を恋愛対象と感じており結婚をして家の跡継ぎを成すつもりがない。

父と子は関西を一緒に旅するなかで「業」の正体を知り理解すると共に宗教の根源はひとつであることも併せて理解して和解に至る。

🔘あくまでも推理であるが周辺の人物も含む綿密な取材で説得力を持って迫って来る内容になっている。

孫が小学生の学芸会で「よだかの星」を演じたことをこの番組を見ている途中で思い出した。

 

【遠足のリュックが駈ける横断路】

 

🔘朝ドラ「らんまん」で南蛮キセルを万太郎が見つける場面が出てきた。以前撮った施設の庭の南蛮キセルの写真を探し出した。