同じ施設に入居されている方から六甲アイランドにある神戸市立小磯記念美術館の開館30周年記念として開催されている「竹中郁(たけなかいく)と小磯良平(こいそりょうへい)詩人と画家の回想録(メモワール)」と題した特別展のチケットを頂き門外漢ながら折角の事でもあり行かせて貰ってきた。
小磯記念美術館全景
詩人・竹中郁と画家・小磯良平は名前だけは知っていたもののこの特別展で初めて二人とも神戸生まれで神戸を中心に活躍、旧制中学以来の生涯の友人である事を知った。
開催されている美術館は名前の通り小磯良平を記念して神戸市が人工島・六甲アイランドに建てたものでこの中には移築したアトリエが再現されている。
アトリエ
特別展では小磯の絵、竹中の詩や若き日の絵、交友のあった人々の作品が多数展示されてあった。
(展示室は撮影と筆写が禁止)
🔘個人的な好みで云えば小磯良平の絵のなかで数点、竹中郁の詩で2点「いいな」と思えるものを見つけたが、それはさておき今まで住んでいた山片蟠桃(やまがたばんとう)や司馬遼太郎に代表される雰囲気の商人の町・大阪に比べ、開港地から発展した神戸らしい雰囲気、風土をこの特別展で感じたような気がする。
・パンフレットで神戸を代表するモダニズムと表現されているが小磯良平も竹中郁もなるほど神戸と思え、どう考えても大阪には当てはまりそうにない。
〈私の気に入った竹中郁の詩文のひとつで、まだ生存中の友・小磯良平への墓碑銘(ぼひめい)〉
『君とぼくとは前の世で そしらぬ顔だった 君は大工さんで ぼくは八百屋だったものさ 中学校で机をならべて以来ながいこった 君が兄弟衆とくらしたよりぼくとくらした方が多い 勘定だ 死ぬときの経帷子(かたびら)もお揃へとしとくか』
・入館して鑑賞している最中、神戸市内の小学校と中学校各1校の少人数が見学に来ていたが、説明する学芸員さんや、学校の引率者、生徒何れもこういう文化的な活動が至極当たり前の雰囲気で成されており、やはり「これが神戸か」という風土の一端に触れた気がして感心した。
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【児童(こども)らが 絵心学ぶ 寒の声】
美術館前庭の山茶花
美術館近くアダムとイブ像