小束山(こずかやま)県有林

いつも歩く健康公園の向かいに「小束山県有林」の標識がありいつか入ってみようと思いつつ時間が過ぎてきたが、俳句サークルの先輩の方から「森林浴」にちょうど良いと言われ足を伸ばしてみた。

私も初めて知ったが戦後この辺り一帯ははげ山(丘)状態で、昭和25年以来行われることになった国土緑化運動・全国植樹祭が昭和29年(1954)に兵庫県が開催地になり、この県有林の地に4月6日天皇皇后両陛下をお迎えして記念植樹等がおこなわれそれがこの辺り一帯の緑化の始まりのようである。

表示板の植樹祭の行われた日の古い写真を見ると全く樹木のない丘に東屋(あずまや・四阿)が建っており今回林のなかで見つけた東屋はこの名残かもしれない。

昭和29年の植樹祭には昭和天皇皇后両陛下が来られ松の苗木を植えられたとのことでその松が育っている。

その時に詠まれた御製の碑がある。

字も薄く旧仮名遣いでもあり2回通って苦労して読んでみた。

【人々と うえし苗木よ 年とともに                                                                山をよろいて さかえゆかなむ】

と読める。

歌の意の通り当時の人たちと一緒に植えられた苗木が68年経ち山をおおうような樹木に育っている。

平成17年(2005)当時の皇太子殿下をこの地に迎え、第29回全国育樹祭の一環として昭和天皇皇后両陛下お手植えの松周辺の芝刈りをされ、同時に松を植えられたようでその松も育っている。

森林浴を兼ねて歩いた写真

直径1m位ある松の大木

【碑(いしぶみ)の こころ知る秋 薄き字に】