先日中学の関西地区同窓会でカラオケをデュエットしたことを書いたがそのなかのひとつが沖縄民謡の「安里屋ユンタ」だった。
その3番は次の通り
♪︎♪︎サー田草取るなら
十六夜(いざよい)月夜 サーユイユイ
二人で気がねも
やれほに 水いらず
マタハーリヌ チンダラカヌシャマヨ♪︎♪︎
話をするなかで同級生から「十六夜(いざよい)とは何か」と問われた。私はあまり深く考えもせず満月の十五夜の次の日で満月よりわずかに欠けた姿だと答えたが、自分でもこれではあまり答えになっていない気がする。
それでこの問いに対する答えを今一度整理してみる事にした。
十五夜は一般的には満月を意味しているが、俳句の季語などで使いまた行事としてその満月を賞するのは陰暦(旧暦)の8月15日の満月である。
十六夜も陰暦で巡ってくる新月から数えて16日目毎月の16日という意味と、季語にもなっているいわば特別の陰暦8月16日の月を表している2種類があり、ちなみに今年の特別の十六夜は新暦9月11日であった。
俳句歳時記をみると当然ながら十六夜とは陰暦8月16日を指定していて、「いざよい(ふ)」はぐずぐずする、ためらうの意で前夜の満月よりやや遅れて昇ることから付けられた呼び名とのことが書かれていて、これらでようやく答えに目処がついた。
「安里屋ユンタ」は沖縄出身の歌手・夏川りみさんも唄われて素晴らしいが、以前夏川さんが沖縄を訪ねて収録したNHKのドキュメンタリーで、元々八重山諸島竹富島に実在した才色兼備の女性・安里屋クヤマを歌ったものだと説明された記憶が残っている。
『マタハーリヌ チンダラカヌシャマヨ』は八重山諸島の古い言葉で「また会いましょう、美しい人よ 」という意味になるらしい。
最後の私自身の疑問は♪︎♪︎田草取るなら十六夜月夜♪︎♪︎の箇所で、私も農家に生まれたので知っているが、田草は田植えをして苗が根付くと早々にするもので、本土の米作りを前提に仮に新暦6月前後で田植えをすると陰暦8月16日の頃では遅すぎる。
しかし沖縄地方の一部で二期作が行われている前提で考えると二期作目の田植えは新暦の9月までに行うので、田草取りは旧暦8月16日頃に行われても全く矛盾しない。
「安里屋ユンタ」3番の私の勝手な解釈は、旧暦8月16日のきれいな十六夜月を背にその明かりのなか、二期作目の田で若い男女が周囲に気兼ねなく仲良く田草取りして働く姿が浮かんでくる。
【黄と紅(あか)を 無慈悲に落とす 秋の雨】
【秋時雨 司馬遼太郎 読み返す 】
🔘施設の庭、花弁の幅からみるとヒメジョオンと思われる。