「私には山がある-大きな愛に包まれて」

田部井淳子さんと言えば女性で初めて世界最高峰エベレストの頂上に立った人として有名で、2016年10月にガンで亡くなられた。

「東北の高校生を富士山へ」という、被災した高校生を富士登山に招待する活動を2012年から始められ、NHKTVで高校生と一緒に登るドキュメンタリーが放送され、そのときはもうガンの影響が身体に大きく出て途中でリタイアされたのが写し出されたのが印象に残っている。

表題にある田部井淳子著「私には山がある-大きな愛に包まれて」PHP研究所刊 を読み終えた。

この本は2015年6月第一版第一刷となっており亡くなられる約1年前に発行されたもので当然のことながらガンが判明してからの心の動き、闘病、それでも可能な限り登山に挑み続ける様子も書かれている。

2014年10月にNHKBSプレミアムで放送された「100年インタビュー/登山家・田部井淳子」をもとにして構成、単行本化されたものだとのことで、実は私はこの番組も観たことがあり多少懐かしい感じもしている。

一度自分が好きだ、楽しいと思えたことにのめり込みそれを一生続けることが如何に大切で幸せなことかが伝わってくる本になっている。

本の冒頭に田部井さん自身の言葉で書かれている。

「山登りは競争ではない。ゆっくりでも一歩一歩進んでいかなければ頂上に辿り着けない。

しかし、その苦しい一歩も必ず終わる時がくる。

その一歩のために、またこの一歩を進め、と自分に言い聞かせつつ、私は歩き続けた」

田部井さんの登山には及びもつかないが、私の山歩き程度でもこの「一歩」の言葉は胸に響いてくる。

 

【朝寒に 珈琲熱く さあブログ】

 

🔘施設の庭木の下で咲いている「ミヤコワスレ」雅そうな名前だが、庭の守り人のおじさんに教えて貰った。

名前の由来は鎌倉時代承久の乱佐渡に流された順徳天皇が都を偲んで佐渡に咲いていた花を眺めたことからついたとの伝説が有るらしい。