中断中の独り言・コサック

私の興味の中心は日本史にあり欧州史などは門外漢といってもよいが、昨今のウクライナ・ロシア関連の痛ましいニュースを見るたびに、この両国の接する地方を中心に歴史に名を遺すコサック集団のことが想い浮かぶ。

コサックの起こりについては色々あるらしいが、タタールと呼ばれたモンゴル系とロシア人などを構成するスラブ民族などの血が長い歴史の中で融合されたもので、軍事的な結び付きが強い共同体を作り周辺諸国とのあつれきも繰り返し傭兵集団としても活躍した。

ロシア革命では反革命側に立ったためソ連建国後は弾圧され共同体組織は破壊された。

ウクライナではあらゆるところにこのコサックの誇りと歴史が息づいているとされる。

このコサックに関して私の記憶には2つのものが残っている。

①コサック騎兵
ロシアと日本が戦った日露戦争では日本陸軍は主として現在の中国東北部満州でロシア陸軍と対峙したが、当時のロシア陸軍の一部を構成していたのが世界最強と言われたコサック騎兵であった。

司馬遼太郎さんの小説「坂の上の雲」では主人公の一人で日本騎兵の生みの親・秋山好古(あきやまよしふる)はこの個人的技量の卓越したコサック騎兵に対応するため、
・馬上戦闘を極力避ける、
・機関銃など火器の充実をすすめる、
・騎兵の機動力を生かして敵陣深くを攪乱する、
等の戦術を駆使して騎兵戦を指揮、日本軍勝利の一翼を担った事が描写されている。

②ステンカ・ラージン
小学校高学年か中学校だったのか定かでないが当時確かロシア民謡という紹介だったと思われる「ステンカラージン」という歌を教わった記憶がある。

ここにコサック集団の一つ・ドンコサックが出てくる。
検索したなかで私の記憶に近い日本語歌詞を挙げると以下のような気がするが確信がある訳ではない。

ちなみにステンカ・ラージンは17世紀帝政ロシアに対して蜂起したコサック集団の指導者で、歌詞に有るようにペルシャ(現在のイラン)とも戦った。

♪︎♪︎ ボルガの流れは果てなく続き
今宵も宴は怪しく響く
麗しペルシャの姫を迎えて
微笑むステンカラージン今宵は楽し

ドンコサックの群れに起こるそしりを
受けたるステンカラージン何を思える ♪︎♪︎

🔘このような歴史のバックボーンを持つウクライナは、仮に一時的に占領されても最終的に屈服することはないと思っている。