俵 万智さん「オレがマリオ」

俵 万智さんと云えば「サラダ記念日」
【「この味がいいね」と君が言ったから
七月 六日はサラダ記念日】

昭和の終わり近い1987年突然世に出た俵万智さんの歌集「サラダ記念日」は世の中に大きな反響を巻き起こし現代短歌、口語短歌に出逢うきっかけを与えた。

図書館から借り出した「オレがマリオ」文藝春秋刊はその俵さんの354首を収めた2013年秋発行の第五歌集とのことである。
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あとがきを読むと2011年3月11日東京にいた俵さんは4日かけて両親と息子のいる仙台に帰り、余震と原発事故の影響を避けるため、翌朝息子の手を引いて西に向かい紆余曲折の後沖縄石垣島に住んでいるとの事である。

従ってこの歌集はこの間の事や石垣島のことが主に詠われたものになっており、タイトルは以下の自作から採られたそうである。

【「オレが今マリオなんだよ」島に来て子はゲーム機に触れなくなりぬ】
(恥ずかしながら解説すると、マリオとは任天堂が出しているコンピューターゲームの世界的キャラクター)

◎この歌集のなかで私の中の何かに刺さった3首
①【藁をとり 拝めるごとく手をすれば おばあの指から縄が生まれる】
ーー石垣島の歌だが、私の子供の頃の記憶に父親が藁で縄をなう姿があり、確かにその手付きは拝みながら手をするような動作であった。

②【島の子の 田んぼ実習六月は 稲刈りなのか田植えではなく】
ーー私もタイに駐在した際、田植えは6月頃だけでないことを知らされた。

③【危ないこと していないかと子を見れば 危ないことしかしておらぬなり】
ーー私は母親の経験は無いが母親とはこうなのだろう。

◎サラダ記念日から私も歳を経たが、俵さんも同様であることがよく分かる。ーーー当然のことながら。

◎寒さのなかタマネギは何とか生き延びてくれているようだが陽当たりが悪い場所なので成長が遅い。
追肥をして分かったが土の表層が凍っている。
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