映画「イミテーション・ゲーム /エニグマと天才数学者の秘密」

NHKBSで放送されたプレミアムシネマ「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」を録画して観ることが出来た。

原題はImitation Game(イミテーションゲーム)でこの映画の実在の主人公・アラン・チューニングが考えたとされる、
コンピューターと人間が回答者に出題し、もしどちらが人間のものか分からなければコンピューターの性能が優れていると判定するゲームのことで、考案者の名前をとってチューニングテストとも呼ばれこの考え方が人工知能AIの評価に使われる。

エニグマとは色々な本や映画などで取りあげられているが第二次大戦当時ドイツ軍が使った高度な暗号システムのことで、その機材は3国同盟の関係から潜水艦で日本にも供与されたとの説がある。

映画は天才に有りがちな性格的な欠点や、当時は犯罪であった同性愛者の秘密を持ちながら、国家的な要請にこたえて現在のコンピューターの先駆けとも云える暗号解読機を発明製作して国家の勝利に貢献するストーリー。

その詰めの段階で、友人の洩らした言葉から暗号文のなかで繰り返し出てくる言葉に着目したシーンはなる程と思わせる説得力がある。

暗号解読が成功した後、それをナチス・ドイツにさとられない為、情報機関と協同で味方の艦船や人命に影響が有っても敢えて対応せずに大局を優先するストーリーは、仲間の肉親が死ぬことになる局面でも揺るがず、戦争の非情さと数学者の論理的思考が鮮やかに描き出される。

このような国家に大貢献した人物もまた国家の意思や世間の圧力で非業の最期に至るところがなんとも云えない迫真性を感じてしまう。

少しネタバレになってしまったかもしれませんが記憶に残る映画でした。

◎近くの小学校のネットフェンスから覗くのは葉の形から見るとマーガレットのような気がするが?
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