映画「汚名」

NHKBSプレミアムシネマで放送されたアルフレッド・ヒッチコック監督のサスペンス映画「汚名」を録画してようやく見終わった。

冒頭出てきた原題が「Notorious」で通常「悪名高い・評判の悪い」と訳されるが確かにこの映画の場合は「汚名」の方がしっくり来るような気がする。

というのもストーリーが、ドイツ出身の父親がナチスドイツのスパイで収監され、その娘が父親を否定する愛国心からナチス復権を画策する一味に近づき、彼らの持つウラン鉱石などの秘密を探り出すもので、日本的に云うと「汚名挽回」「汚名返上活動」とも云えると感じたからである。

娘を演ずるのがイングリッド・バーグマン、FBIの職員で娘とのつなぎ役にもかかわらずお互いが愛し合う役回りが、ケイリー・グラント、美男美女の組み合わせ。

イングリッド・バーグマンは「カサブランカ」、ケイリー・グラントは同じヒッチコック監督の「北北西に進路をとれ」が私の印象に残っている。

ブラジルを拠点にナチス復権を目指す一味の一人で、娘のハニートラップにかかって結婚し最後に破滅を迎える損な役回りがクロード・レインズ、気の毒にと思いながらどこかで見たことのある顔だ、演技が上手いなあと思いつつ見終わってしばらくしてようやく思い出した。

アラビアのロレンス」の英国外交官役、「カサブランカ」でフランスの警察署長役、どちらも脇役として大きな存在感を放っていた。
特に「カサブランカ」の署長は最後にハンフリー・ボガードを助けてやるいい役回りで記憶にずっと残っている。

映画の前半は何かパッとしない感じがして片手間にスマホを見たりしていたが、そこはやはりヒッチコック監督で、期待を裏切らず、娘が潜入のために結婚してからの後半はハラハラドキドキの連続でEndマークまで眼を離せなくなってしまった。

また監督のいつもの手法ながら、終りのあとを観るものが想像するように余韻を持って終わらせるストーリーが、この映画を更に良くしているように思われる。

◎最近歩いていても花を見かける機会がずいぶん減った気がする。その点菊はまだ色々見かける機会が多い。
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