リタイア後の品質談義②品質部門のあり方

8月1日のこのブログで最近頻発する日本企業の品質問題について、Q(品質)C(コスト)D(納期)の中でQ・品質の位置付けについて書いた。

最近の三菱電機の連続する品質問題について調査委員会の報告書が発表され三菱電機会長も辞任されるとの各種報道が出ている。

調査委員会の報告書要旨が日経新聞に掲載されているがこの中で第5項 1、直接的な原因 (2) 品質部門の脆弱性
に書かれている内容は

『品質部門は牽制(けんせい)機能を十分に果たすことが出来ていなかった。品質部門が製造部門と一体となって品質不正に関与・黙認している例もあった。品質部門は製造部門の傘下にあり製造部門からの組織的な独立性が確保されておらず、ブレーキをかけることは容易でない』

問題の本質の一部を的確に突いた表現に思える。

生産活動を車に例えると、製造部門はエンジンでありまたアクセルの機能も持っている。
しかし品質部門は純然たるブレーキそのものである。

車の総合的な機能が向上すると共にブレーキもその性能向上が不可欠であり、アクセルに対抗出来るものでなければならない。
アクセルの傘下に置かれたブレーキが適切に機能を発揮できるわけがなくブレーキを踏むタイミングや力が不十分であったことが容易に想像できる。

現役時代、仕事の中で色々な業種の大小さまざまな工場を観る機会があったが、この事が理解されず品質部門の力が適切に発揮出来ていない例がまま見受けられ、品質レベルと相関性があると感じた記憶がある。

この三菱電機の調査委員会報告書はかなり深く調査が進められ客観的に書かれたと思える、広く読まれ参考になれば良いのだが。

◎道の傍、フェンスから覗くつる性の花、よく見るとワニが口を開けたような変な形に見えてしまう。
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