犬ゾリあれこれ

最近不思議なことに立て続けに3件「犬ゾリ」の話に接することになってしまった。

☆一つ目は9月14日のこのブログで触れた「NHK映像の世紀プレミアム」(4)「英雄達の栄光と悲劇」で取りあげられた、英国・スコットとノルウェーアムンゼンの南極点到達競争の中であった。

先に出発したスコット隊は荷物運搬に小型の馬・ポニーを使ったが過酷な環境に耐えられなかった。
一方アムンゼンは訓練されたエスキモー犬が引くそりを採用、これが功を奏し南極点一番乗りを果たす。

馬が役に立たなかったスコット隊は人が荷物をそりで引き、遅れて南極点に立つが帰途に力尽き遭難する。

☆二つ目は9月23日の日経新聞自民党総裁選に関する「Angle」というコラムに政治記者が過去の総裁選を振り返り「犬ゾリと総裁選」と題して寄稿したものの中にある。

78年に福田、大平両氏が戦った総裁選の過程で、大平氏がまだ若手だった後の総裁候補・加藤紘一氏に語ったとされる言葉
「加藤、犬ゾリを知っているか?犬ゾリとは犬が引っ張るソリだ。一生懸命引っ張っているように見えて本当はそうでもない犬もいれば、サボっているように見えて一生懸命に走っている犬もいる」

そう言われた加藤氏は自分をサボっている犬に例えられたと思いその後必死で活躍したと書かれている。

この大平氏の話はどこの組織でも当てはまる気がする。

☆最後は椎名誠著「南の風に誘われて」新日本出版社刊中の「北極圏には国境という概念がない」章の一節、ここには犬ゾリの特徴が簡潔に書かれている。
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『犬ゾリをユピック(ロシアのエスキモー)から習っていた。凍った海氷の上をこのソリで滑っていけば北極圏の頂点の部分を各国づたいにひとまわりすることも可能だ。彼らは犬の餌にアザラシやシロクマを捕り、海からはタタミ一帖ほどもある巨大なオヒョウを釣り上げる。
餌のあるかぎり犬たちは走りたくてしょうがないどうぶつだからガス切れで進むことができない、ということにはならない。』

エスキモー犬が引く犬ゾリ
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◎我が家の庭に自生した花一輪、同級生に教えて頂いたのだが名前はゼフィランサス別名タマスダレとのこと。
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