映画「息子」

民放TVで放映された映画「息子」を録画しておいたが、ようやく観ることが出来た。

1991年公開とのことなので約30年前の映画だが全く色褪せてない、さすがに山田洋次監督作品で何回かの涙と笑いを感じる場面があり「老い」と「障害」という現代的な課題についても考えさせられるところがあった。

特に「老い」の方については主人公の住む雪国の厳しい環境とはだいぶ違うところもあるが、私自身も向き合うことが必要な時期に差し掛かっており観入ってしまった。

三國連太郎さん演じる岩手県で一人暮らしの父親が、戦友会のついでに東京で暮らす長男と次男を訪ねるのが大きな筋立てになっており、特になかなか定職につけない永瀬正敏さん演じる次男坊を心配している。

次男は鉄工所で得た職の中で、納入先で働く和久井映見さん演じる耳の聞こえない女性と知り合い、互いに結婚を考えるまでになっている。

父親が次男から女性を紹介されそれを何の拘りもなく認めて嬉しく喜ぶ場面が素晴らしく(観ている方はハラハラするのだが)ここでの和久井さんの演技も清々しい。

次男と女性が知り合っていくなかで、周りから障害のことを云われ、それに対して次男が「いいではないか!まったくいいではないか!」と2つ場面で叫ぶところも心に残る。

和久井映見さんは現在大河ドラマ「青天を衝け」で渋沢栄一の母親役を演じておられ、蛇足になるが30年の歳月を否応なく感じることになってしまった。

三國連太郎さんは「飢餓海峡」「釣りバカ日誌」、永瀬正敏さんは「隠し剣鬼ノ爪」「あん」などが私の印象に残っているがこの「息子」の印象もこれらに加えなければならない。

この原作は作家・椎名誠さんの短編「倉庫作業員」という作品らしい、一度探してみようと思っている。
映画の良さにつられて筋を書きすぎたかもしれない。

◎歩きの途中、近くのくぬぎ林でドングリの実が付き始めている。季節がドンドン変わっていく。
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