今は1紙のみ購読の日経新聞は経済中心ながら意外に文化や文芸欄も充実している。
読者投稿の短歌も二人の選者が居られ、毎週必ず全ての歌に目を通すようにしている。
今週は歌人・穂村 弘さんが選ばれた中でたまたま今年の野菜作りで感じた心持ちとピッタリくる歌、二首に出会った。
①『次々と 胡瓜もらえば 食卓に 河童数人 招きたき宵』
ーーー豊橋 滝川節子 さん作
◎これはお裾分けされた方が詠った歌だが、本当に胡瓜は収穫シーズンピークになると 「もういいや」と思うくらい毎日成長する。必然的にお裾分けが必須となりピークの1ヶ月くらいは私の場合も家内が近所などへお裾分けに大わらわとなっていた。
必然的に食卓にも毎日胡瓜が並ぶことになり作者が河童に来て欲しいと思われたその気持ちに納得できる。
今年は胡瓜の出来が良くて最終的に収穫が350本を越えた。
少量ずつ長い期間に収穫出来て、河童を呼ばなくても良い収穫方法は無いものだろうか? 来年の課題にしておこう。
②『地中へと 欠片を埋めて 数多なる 男爵を蘇らせた夏』
ーーー東京 富見井 高志 さん作
◎本業か趣味かそれはわからないが東京でジャガイモを栽培されている方の作品。
私も今年で5回ジャガイモを植えてみて色々な品種を試したがやはり「男爵」が一番収穫量が安定しているような気がしている。
種イモの大きいのは2~3分割して植えるが、作者はこれを「欠片(かけら)を埋めて」と表現されている。
切った種イモは確かに欠片そのものに見える。
この種イモが数ヶ月くらいで約10倍程度の収穫をもたらす。不思議といえば不思議な蘇りかもしれないが作者の達成感が伝わる。
今年は5年間で1番ジャガイモの出来がよくミカン箱にして10箱くらいは採れた。
◎公園の近くで群がって咲いている花、読者になっているブロガーさんがスケッチされたものと同種のようで、それからすると名前はランタナというらしい。