日経新聞に連載されていた、作家・伊集院 静さんが夏目漱石を描いた「ミチクサ先生」が終わった。
いつも新聞の最終面に掲載されており、経済記事に頭を悩ました後で最後にこれを読んで頭を柔らかくしておく楽しみがあった。
大体この時にはコーヒーと少しのお菓子があり、それが私にとって大切な憩いの時間になっている。
今まで「吾輩は猫である」「坊っちゃん」「明暗」「心」等の作品は知っていても人間・夏目金之助についてはほとんど知らなかったが、この連載でその人となりの一面を知ることが出来た。
夏目漱石は胃潰瘍の進行による大出血や糖尿病の併発で亡くなるのだが、まだ49歳の若さだったとは、残された写真の風貌からもっと長生きされたと思っていた。
何より特筆すべきはその人脈で、お互いを尊敬し合っていた正岡子規はその筆頭として、子規を懸命に看病した妹の律さんを、漱石が支援して女学校の裁縫講師として身を立てることが出来るようなったエピソードについては、始めて知った事実で感動した。
この子規を看病した律さんは司馬遼太郎の「坂の上の雲」
でも登場し、NHKTVドラマでは菅野美穂さんが演じておられ、今回のミチクサ先生では正岡律さんが登場する度に菅野美穂さんの演じた姿と重なって見えた。
最終回辺りで漱石の想い出を語り合い「素晴らしい邂逅(かいこう)でした」と懐かしむのは作家・芥川龍之介と漱石の一番弟子とも言うべき科学者と文学の二刀流で有名な寺田寅彦で、何れも俳句を嗜むのも面白い。
漱石と交遊があったり、編集者の立場で発掘したように記されているのは、まるで明治大正の文学界が総出の如くであり、漱石が日本の文学に及ぼした影響の大きさに本当に驚いた。
私が多少なりと知っている人物をピックアップすると、
森鷗外、内田百閒、鈴木三重吉、田山花袋、泉鏡花、正宗白鳥、武者小路実篤、小川未明、田村俊子、谷崎潤一郎
等々である。
◎昨日はホームコースで70歳以上が参加する泉寿会の例会、季節柄まるで高齢者の物理的耐熱性や耐久性を試すような会だったが、それでも25名の「不思議な物好き」が集まった。
高齢者用の距離設定であった事もありスコアーは、42、43、トータル85で目標達成、賞品まで頂いた。
朝のコース、遥か遠くに見えるのは二上山(にじょうざん)。