映画「カサブランカ」

NHKBSのプレミアムシネマで放映された1942年のアメリカ映画「カサブランカ」を録画して長い間放置していたが、この雨で活動が制約されるなかようやく観終えた。

以前にもTVで一度この映画を観た記憶があるが、その時の印象は余り残っておらずただラストの、カサブランカからリスボン行きの飛行機を前にした別れのシーン、ドイツ軍将校を射殺するシーンなどを記憶していた。
多分「ながら観賞」をしていたのだろう。

然し今回はじっくり腰を落ち着けて観たせいか古い映画ながらこれは自分が今まで観た映画の中でベストテンに入る映画だと自然に思えてしまった。

ここでストーリーを詳しく語るつもりはないが、第二次大戦がヨーロッパで始まり、ナチスドイツがフランスを占領、フランスに親独のビシー政府が誕生した時期の、フランス植民地であったアフリカモロッコの都市カサブランカが舞台である。

ナチスドイツに反対する人々はアメリカを目指したが、そのアメリカ行きの船が出るポルトガルリスボンへの中継地が対岸のカサブランカで、色々な人がビザを求めて集まっていた。

米国人でスペイン内戦などを戦い、今はカサブランカで酒場を営むのがハンフリー・ボガード、そのパリ時代の元恋人がイングリット・バーグマン、このよく知られた2人とは別に、ビシー政府のカサブランカ警察署長役がクロード・レインズという俳優で、この警察署長が通俗な人物と思わせラストで義侠心を発揮してハンフリー・ボガードを助ける。

この警察署長は映画の中でとても面白い役回りで印象に残り、どこかで観た顔、雰囲気だなと気になり後で調べてみると映画「アラビアのロレンス」にロレンスを理解するイギリス外交官・トライデン役で出演していることが分かり納得した、まだまだ記憶力は大丈夫のようだ。

紆余曲折の後、ハンフリー・ボガードは元恋人イングリット・バーグマンの為に命を懸けてその夫との逃亡を助けてやり、警察署長と共にカサブランカを脱出する。

劇中繰り返し出て来るキザなセリフが「君の瞳に乾杯」
いい歳をしてよく云うよとついつい思ってしまった。

これも後で分かったことだが、この映画は1943年のアカデミー賞作品賞を受賞しているらしく、自分の感性もまんざら捨てたもんでは無いなと思った次第。
こんなに良い映画を無料で観られて少々申し訳ない気がする。

◎近くの民家から1本だけ顔を出しているのはタチアオイと思われる。
f:id:kfujiiasa:20210709141210j:plain